パク・ヒョンシク主演の史劇『青春ウォルダム~運命を乗り越えて~』は、謎めいた伏線がいくつも複合的に絡み合ったドラマだ。しかも、ショッキングな出来事が序盤から次々に起こって胸騒ぎが多い展開になっている。なお、本作は『青春ウォルダム 呪われた王宮』というタイトルで、NHK BSP4KとNHK BSで放送中だ。(以下、一部ネタバレを含みます)
■時代劇『青春ウォルダム』見どころは?パク・ヒョンシクの世子役が存在感抜群!
最新作のNetflix『ドクタースランプ』が好評だったパク・ヒョンシクが本作で演じるのは、世子(セジャ)のイ・ファンである。彼は3年前に兄の急死にともなって世子になったのだが、暗く落ち込んだ表情が多い。それは、不気味な「呪いの書」で脅迫されているからだ。
その書にはイ・ファンが「どんどん不幸に見舞われて最後は死を迎える」という予言が書かれてあった。しかも1年前に予言の一つが実際に起こってしまったのだ。イ・ファンとしても深刻にならざるを得ない。
そんな最中に重大な一家毒殺事件が発生した。イ・ファンの学問の師匠が妻と息子と一緒に白昼に毒殺されたのだ。本当に恐ろしい悲劇だった。しかも、犯人とされたのが一家の中で唯一生き残った娘であった。
彼女が『青春ウォルダム』のヒロインとなるミン・ジェイだ。ドラマ『寄生獣』の主役で注目されているチョン・ソニが演じている。
ミン・ジェイは毒殺事件の首謀者と見なされていたが、自分の無実を証明するために逃亡し、苦難の末に王宮にたどり着いた。そこで彼女はぜひともイ・ファンに自分の立場を説明する必要があった。なぜなら、毒殺事件にはイ・ファンが師匠に送った密書が関係していたからだ。
ミン・ジェイは巧みに王宮に忍び込んでイ・ファンに自分の無実を訴える。イ・ファンとしても利発なミン・ジェイの言葉を信じなかったわけではないが、むしろ彼女に大きなチャンスを与える。王宮で居場所を見つけて自ら無実を証明してみよ、というわけである。
そこでミン・ジェイは東宮(トングン/世子が管轄する施設)で働く内官(秘書役であり去勢された男性が務めている)になりすまして、常にイ・ファンのそばに仕えることとなった。つまり、女性が男装しているのだ。
「韓ドラあるある」でよく使われるシチュエーションが『青春ウォルダム』でも取り入れられている。
実は、ミン・ジェイは今までも数々の殺人事件を解決した「捜査の達人」だった。イ・ファンはミン・ジェイの捜査能力を高く評価し、「まずは自分の無実を晴らす前に都で多発している殺人事件を解決せよ」と命題を出した。こうしてミン・ジェイは内官でありながら様々な殺人事件に関わっていくことになる。何よりも、彼女はイ・ファンを苦しめている「呪いの書」の正体を暴くつもりだった。
「決して幽霊が作ったものではなく、誰かの陰謀に違いありません」
そう主張して、ミン・ジェイはイ・ファンと共に陰謀の当事者を必ず捕まえてみせるという意欲を示した。実際、王宮の高官たちの間で主導権争いが熾烈になっていて、世子を陥れようとする連中が虎視眈々と機会をうかがっていたのだ。
このようにして「呪いの書」と一家毒殺事件の真相が次々と明らかになっていくのが、『青春ウォルダム』の重要なストーリーである。
それにしても、パク・ヒョンシクが世子を演じると、その姿が本当に絵になる。過去にもイケメン俳優たちが世子を演じてきたが、その中でもパク・ヒョクシクは堂々としていて存在感が抜群だ。
そんな彼に導かれて、『青春ウォルダム』はスリルとサスペンスに満ちた時代劇となっている。
●作品情報
『青春ウォルダム~運命を乗り越えて~』Leminoにて独占配信中
[2023年/全20話]演出:イ・ジョンジェ『100日の郎君様』、キム・ジョンウク 脚本:チョン・ヒョンジョン『都会の男女の恋愛法』『ロマンスは別冊付録』
出演:パク・ヒョンシク『ドクタースランプ』『力の強い女 ト・ボンスン』『ハピネス -守りたいもの-』、チョン・ソニ『花様年華~君といた季節~』『ボーイフレンド』、ピョ・イェジン『復讐代行人〜模範タクシー〜』シリーズ、『昼に昇る月』、ユン・ジョンソク『王になった男』『砂の上にも花は咲く』、イ・テソン『愛はビューティフル、人生はワンダフル』、ホ・ウォンソ
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