『95』髙橋海人と松本穂香が夏祭りデート セイラの娘・新村の父親は秋久なのか?

ドラマ『95』(テレビ東京系)第5話より、物語は1995年の夏へと突入する。翔(中川大志)率いるチームが待ち望んでいた、一度しかない高2の夏。「渋谷浄化作戦」と題して、チーマー狩りを開始。それでも人を殴らないスタンスを貫き通すQ(髙橋海人)は、チームでの在り方を模索していた。

そんなQにいつも真っ直ぐな言葉を投げかけてくれるのが、セイラ(松本穂香)だった。「俺は翔に否定されるのが怖いんだ、情けない」と自信をなくすQに、セイラは彼の「自分の弱さを認められるところ」を肯定する。

2人の隠れ家であり、いつしか待ち合わせ場所になっていた渋谷の屋上を飛び出し向かったのは、夏祭り。Qが情報雑誌で調べた花火のよく見える場所に、セイラは浴衣で現れた。夏の始まりだ。

セイラは大人びていてミステリアスな存在だが、時折隙を見せる。「私デートってしたことないから」という一言に、Qは動揺を隠せない。打ち上がる花火を目の前にしながら、気もそぞろでセイラの顔ばかりを見ている。なぜなら、Qはセイラが翔と付き合っていると思っていたからだ。さらにセイラは「お金も名声もいらない。今日みたいな、ささやかな幸せを大切にしたいの。ずっと変わらないものって、そういう思い出だけでしょ」と思いがけない言葉を投げかけてくる。

セイラに手を引かれるまま、Qはホテルへ。お金の心配をされ、部屋のボタンを先に押され、セイラにリードされっぱなしのQ。電気、避妊具、すりガラス越しに見えるセイラの裸に、Qは一気に焦りが募り始める。本当にいいのだろうかと。「セイラ、ごめん。なんでこんなこと言い出したのか、自分でも分からないんだ。花火のせいかも。ちょっとどうかしてたわ。今日はやめよう。もっと綺麗な形で君と……」、そうQはバスルームにいるセイラに語りかけるが、その思いはシャワーの音で切なくかき消されていく。

だが、バスローブ姿のセイラを見たQは、キスを強要していく。性的衝動か、それとも強がりからの行動か。勢いも重要ではあるが、嫌がるセイラの姿には宝来(鈴木仁)に無理やりされた姉の淳子(桜井日奈子)の姿が重なってしまう。ぶらんと下ろされたセイラの腕は諦めのサインなのか。

第5話のQとセイラのやり取りを引き立てているのが、2024年の現代での秋久(安田顕)と新村(桜井ユキ)の会話だ。前回、新村はセイラの娘であることが明らかになっていたが、現在セイラは胃ガンで入院しており、マルコ(細田佳央太)伝いで秋久へと辿り着いたことが新村の口から話される。新村が1996年生まれであること、さらに「母のこと父に伝えたくて」という言葉や、まるで目の前にいる秋久に向けた「逃げんじゃねえよ。クソ野郎。地獄に落ちろ」というセリフと新村の表情からも、新村の父親がQであり、この時にできた子供だったのではないかと推測できる。
(文=渡辺彰浩)

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