マドリードOPでウイルスが蔓延していた? 準優勝のオジェ-アリアシムが「腹痛に悩まされた」と体調不良を訴える<SMASH>

先週行なわれた男子テニスツアー「ムチュア・マドリード・オープン」(4月24日~5月5日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)で、準優勝を果たした元世界ランク6位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/大会時35位/現20位)が決勝戦後の記者会見に回答。その中で大会期間中に体調不良に見舞われたとし、「一時はプレーできるかどうかわからない状況にも陥った」と明かした。

今大会6試合中3試合が相手の棄権(2試合が途中棄権、1試合は試合前棄権)という前代未聞の形で勝ち上がった23歳のオジェ-アリアシムは、決勝でトップ10プレーヤーのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/大会時8位/現6位)と対戦した。

立ち上がりから激しい攻防が繰り広げられた中で第1セットを6-4で先取したオジェ-アリアシムだったが、第2、3セットはいずれも5-7で失い、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズでの初優勝とはならなかった。

会見では「決勝戦の途中で身体がケイレンした」と明かしたオジェ-アリアシム。だがそれだけではなく「大会中は体調不良もあり、腹痛に悩まされた」そうで、中でも対戦したヤクブ・メンシク(チェコ/大会時74位/現65位)が第2セットでリタイアした3回戦は「プレーできるかどうかわからなかった」という。
さらにオジェ-アリアシムは、自身に勝利してマスターズ2勝目を飾ったルブレフも表彰式で同じく大会中に体調不良に見舞われたと話していたことを踏まえ、「彼(ルブレフ)がスピーチで言ったように、おそらくマドリードでは何らかのウイルスが蔓延していて、選手たちの中にも同様の症状に襲われた人がいたのだと思っている。医師たちがそれに対処していたと聞いた」と発言。

度重なる相手の棄権によりコートに立っていた時間が短かったにも関わらず、決勝で自身に「あまり経験がない」ケイレンが起こったことについても「約1週間にわたるウイルスとの闘いによる疲れ」が原因だったのではないかと自己分析し、「(ケイレンは)肉体的なことが関係していたのだろう」と締めくくった。

なお、マドリード準優勝により昨年10月以来約半年ぶりとなるトップ20に復帰したオジェ-アリアシムは、間もなく開幕する「イタリア国際」(5月8日~19日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)に第18シードで出場予定。シード勢は初戦免除のため、オジェ-アリアシムは2回戦から登場することとなる。

文●中村光佑

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