次は井上尚弥 vs 那須川天心!? 大橋会長が東京ドーム再進出に意欲 視聴者数は野球WBC超え

左から井上尚弥、那須川天心

東京ドームで34年ぶりに開催されたボクシング興行で世界スーパーバンタム級4団体統一王座を防衛した井上尚弥(31=大橋)らの一夜明け会見が7日、横浜市内の大橋ジムで開かれた。同ジムの大橋秀行会長は、チケット完売の観衆4万3000人を集める成功を収めたことで、再度のドーム興行開催に意欲を示した。

前夜は無敵の〝モンスター〟井上がWBC同級1位の〝悪童〟ルイス・ネリ(29=メキシコ)に初回にキャリア初のダウンを奪われながらも逆転勝ちし、東京ドームは熱狂。会場だけでなく、生配信したプライムビデオも、これまで史上最多だった2023年の野球WBC決勝戦・日本―米国戦を上回るピーク視聴者数を記録したほどだった。

巨大興行開催の心労で「寿命が縮んだ」と口にしていた大橋会長だったが、この日はにんまり。再度のドーム興行の可能性を問われ、「終わってみるとまた意欲がわいてくる。それだけボクシングに魅力があるということですよ」とうれしそうに話した。

今回は井上の実力だけでなく、ドーピング陽性、大幅体重超過などの騒動を起こし、日本で悪役化したネリが相手だったことが興行的に盛り上がる一因となったように、巨大会場では対戦相手も重要となる。大橋会長はその候補にキックボクシングのスーパースターからボクシングに転向したWBA世界バンタム級4位の〝神童〟那須川天心(帝拳)の名を挙げた。

那須川はキックボクシング時代にはライバル武尊と東京ドームで対戦し、5万人以上の観衆を動員した実績もある人気者。ボクシングでのライバルに、大橋ジム所属で同じくキックボクシングから転向して前日にWBO世界バンタム級王座を奪取した武居由樹(大橋)がいるが、大橋会長は「天心と井上尚弥ならドームでもすごいと思う。天心が武居に勝ったら、次は井上尚弥。そういうのがいないとね」と青写真を描いた。

まさに夢のカードだが、那須川はまだキャリア3戦でタイトルはなく、井上と対戦する地位に上り詰めるには歳月を要する。2人が拳を交える日は来るだろうか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社