西武、どうしても勝てない理由は「貧打」だけじゃなかった!担当記者が指摘する「深刻な問題」とは

西武・松井稼頭央監督

西武ライオンズが勝てない。2024年5月6日現在、11勝20敗の最下位。勝率.355は12球団唯一の3割台だ。

苦戦の要因はいくつかあるが、もっとも深刻なのが、打てないことだろう。チーム打率は、これまた12球団で最下位の.203だ。今季ここまで5点以上取ったのは5試合のみで、総得点77はパ・リーグ最下位だ。

また規定打席に達していても、2割5分以上の打率を残している選手はただの一人もいない。これはまさに異常事態だろう。

ただし、西武の貧打は、いまに始まったことではない。昨季もリーグワーストの435得点だったのだ。確かに秋山翔吾、浅村栄斗、森友哉、山川穂高と主力打者が毎年のように抜けているため、チームの核、あるいは4番を務められる打者がいなかった。

一方で、投手陣は高橋光成、今井達也、平良海馬、隅田知一郎、松本航と、リーグトップクラスの先発陣を確保。昨季のチーム防御率は2.93とリーグ2位だった。しかし、投手が好投しても打線の援護がなく、見殺しにするケースが多く、借金12で5位に沈んだ。

西武は「もうひとつ、深刻な問題を抱えている」と担当記者が語る。

「松井稼頭央監督は、ソフト路線の監督で、人を怒れないタイプなんです。監督としては優しすぎます。現在、西武は “ユル雰” が充満しています。

ただ、これは球団としての責任もあると思います。というのは、西武は12球団一コンプライアンスに厳しいと言われていますが、これが裏目に出てしまった。

球団の背広組が『選手を怒ってはいけません』と監督、コーチ陣に言ってしまったんです。そのため、たとえ選手がミスをしたり、無気力プレーがあったしても、怒れないんですよ。

もちろん、今の時代、パワハラは厳禁ですが、それでも、松井監督は優しすぎます。コーチ陣は『どうやればいいんだ!?』と頭を抱えていますよ」

若手の底上げがなかなか期待できないなか、現在はなんとか “日替わりオーダー” で戦っている。結局は、松井監督が鬼になることしか、浮上のきっかけはないのかも――。

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