沖縄の天然記念物「とるのは写真だけ!」 石垣市教委ら密猟防止パトロール

 沖縄県石垣市教育委員会文化財課や地元のボランティアは1日、県天然記念物のチョウ「アサヒナキマダラセセリ」の羽化の時期に合わせ、市内の於茂登岳で登山者へのチラシ配りや密猟防止のパトロールを始めた。「とるのは写真だけ!」を合言葉に5月末まで周知活動を続ける。

 アサヒナキマダラセセリはセセリチョウ科のチョウで、国内では石垣島と西表島だけに生息する。幼虫は山頂付近に生息するが、成虫になる5月ごろには花の蜜を求めて山の麓まで下りてくる。採取は禁止されているが、密猟者がいるという。

 同日、於茂登岳登山道入り口付近であった出発式で市の﨑山晃教育長は「ルールを守って於茂登岳の豊かな自然を楽しんでほしい」と呼びかけた。ボランティアを代表して元高校生物教諭の島村賢正さん(74)は「“とるのは写真だけ”ということでパトロールを頑張りたい」と意気込んだ。(八重山支局・矢野悠希)

アサヒナキマダラセセリ(石垣市教育委員会文化財課提供)
アサヒナキマダラセセリの採取禁止を訴えるボランティアや石垣市教育委員会の職員ら=1日、同市・於茂登岳登山道の入り口

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