鈴木保奈美、40代で衝撃的な出会い「舞台をやってみたい」

『東京ラブストーリー』(1991年)などの、数々の伝説的なドラマに出演し、現在は舞台にも活躍の場を広げている鈴木保奈美。最新主演舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』の会見が、5月7日に大阪市内でおこなわれ、地方の政治がテーマとなる異色のコメディについて語った。

舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』に出演する鈴木保奈美(5月7日・大阪市内)

◆「若いころは、おもしろさがわからなかった」

舞台に対して「若いころは、自分の理解力が追いついてなくて、なにがおもしろいのかわからなかったんです。でも40代になってから、舞台をやっている俳優さんの話を聞いたり、観に行くうちに『やってみたい』と思うようになりました」と語る鈴木。数多くの作品に触れるうちに、衝撃的な出会いを果たしたのが、今回作・演出を担当する冨坂友が主宰する劇団「アガリスクエンターテイメント」だった。

「セリフが非常に計算されていて、登場人物がどの人も魅力があって、ちりばめられた伏線が見事に回収されていく。こんなにおもしろい人たちがいるんだ! と、ビックリしました」とファンになり、ずっと出演を望んでいたそう。待望の初タッグは、NPO活動を経て県知事となった女性・小川すみれが、自分の理想と引き換えに起こした不正をもみ消そうとするうちに、のっぴきならない状況になっていくシチュエーション・コメディだ。

今年の春に放送された、冨坂脚本・監督の生放送ドラマ『生ドラ!東京は24時』では、政治家になる前の小川役で出演。「(舞台版の)エピソード0という形でした。真面目で理想に燃えているけど、あまり器用ではない人」とその人物像を評し、本番の舞台では「権力の使い方を覚えはじめて成長もしたけれど、成長しきれてないところもあって、それでおっちょこちょいなことになります」と、人間としてスケールが広がった分、おかしみが増すことを期待する。

舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』に出演する鈴木保奈美(5月7日・大阪市内)

◆「舞台はお客さまのOKをいただくため・・・」

舞台の魅力は「決定権がお客さまにあること」だとも。「ドラマだと俳優が『こうしたい』と思ったことに、監督がOKを出しますが、舞台はお客さまのOKをいただくために、出演者もスタッフも一生懸命やっていく。それが幸せな時間だと思います」とおもしろさを語るとともに、本作について「コメディなのに笑い声がなかったら・・・と思うと、本当に眠れなくなりそう(笑)。でも夢中になって観て、笑っていただける作品に絶対なると思いますし、いろんな伏線があるので、2回3回観ていただきたいです」と、前向きに抱負を語った。

鈴木以外には、寺西拓人、相島一之、佐藤B作などが出演。7月の東京公演を経て、関西は7月20・21日に「京都劇場」(京都市下京区)で上演。チケットはS席1万円、A席8000円で、5月11日から発売開始。

取材・文・写真/吉永美和子

『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』

期間:2024年7月20日(土)・21日(日)
会場:京都劇場(京都市下京区東塩小路町901)
料金:S席1万円、A席8000円

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