「葬送のフリーレン」に学ぶ!5つの職場サバイバル術―台湾メディア

6日、ファッション誌「Marie Claire」台湾版に、日本のアニメ「葬送のフリーレン」に学ぶ、五つの職場サバイバル術を紹介する記事が掲載された。

2024年5月6日、ファッション誌「Marie Claire」台湾版に、日本のアニメ「葬送のフリーレン」に学ぶ、五つの職場サバイバル術を紹介する記事が掲載された。

記事はまず、「新型コロナウイルス感染症が世界的なパンデミックを引き起こした中、20年4月28日発売の『週刊少年サンデー』で、山田鐘人氏が原作、アベツカサ氏が作画を担当した『葬送のフリーレン』が連載開始となった。1000年生きるエルフのフリーレンの視点から描かれる物語は、各話がまるで心のワクチンのようで、ブラックユーモアを交えつつも笑いと涙を誘い、穏やかでありながらも深い内容が魅力となっている。また『葬送のフリーレン』は、世界中で癒し系のロリ萌えブームを巻き起こしただけでなく、アニメでありながら、職場での問題を解決するための最良のガイドブックとなった」と紹介した。

続けて、「物語の第1話から、魔王が倒されて世界が平和になり、冒険者それぞれが故郷へ戻って新しい仕事を探す『冒険の終点』が描かれている。さらに、第5話にもならないうちに2人の冒険者が老いて天国へ旅立つが、発売後1年で400万冊以上を売り上げ、4年間では日本で2000万冊の大ヒットとなった。これほどの記録を打ち出す魔力とは一体何なのだろうか。『葬送のフリーレン』は時間という概念を全く感じさせない。1000年の寿命を持つエルフのフリーレンにとって、50年後に流星雨を一緒に見る約束や、同じ場所に6年間留まり魔法の書を研究することは特に長い時間ではない。ここで重要なのは感情、対応、人間の心、フリーレンのさまざまな表情、彼女が追求する一見奇妙な魔法、青年シュタルクとフリーレンの弟子フェルンとの恋愛だ。物語がゆっくりと進むにつれて(毎回物語の始まりは勇者ヒンメルの死からN年後と始まる)、生活に密着したような自然な会話が描かれ、物語が予想外の展開を見せることで、読者はさらに作品に引き込まれていくようになる」と評価した。

その上で、「勇者、僧侶、戦士、エルフが登場する物語であると聞いて、『ドラゴンクエスト』のように、魔王を倒すために敵を倒して経験値を積んで主人公が強くなる王道の冒険漫画を思い浮かべたなら、それは大間違いだ。それよりも、11年に深夜枠で放送された低予算の冒険ドラマでありながら、意外な大ヒットとなった山田孝之が主演の『勇者ヨシヒコと魔王の城』に近いものだと言える。著名な漫画家・窪之内英策氏の『天外福星』でエイリアンが人類の愚かさや難解さを観察するように、フリーレンの人間洞察力は圧倒的だ。もしフリーレンが現代でサラリーマンとして働いていたなら、職場を熟知した恐ろしい女性となるだろう。それでは、作中で学べる職場で成功するための魔法の言葉を見ていこう」と述べた。

記事は、一つ目の魔法の言葉として「嫌なことは早く解決する」を挙げた。「第8話でフリーレンは断頭台のアウラと対峙するが、強敵に立ち向かうのが嫌いだと言い、嫌なことは早く解決した方がいいと、迷わず断頭台のアウラと対決する。会社の仕事には大小さまざまあり、その多くは煩わしいもの。誰もが時間が長引くと好ましくない変化が起こるとの理屈を分かってはいるが、ついつい後回しにしてしまうこともあるだろう。ただし、もしかすると突然上司が思いつきで締め切りを変更するかもしれない。嫌なことはなるべく早く解決して心に重荷を感じないようにしよう」と説明した。

二つ目の魔法の言葉は「真実かどうかは言葉ではなく行動で証明する」であるとし、「第12話でフリーレンがヒンメルと勇者の剣を引き抜こうとした時、ヒンメルも引き抜けなかったが、熱意にあふれるヒンメルは、偽物の勇者でも魔王を倒せれば問題ないと考えた。勇者の剣がなくても世界を救うことはできるのだ。職場でのうわさや中傷に対して負けない秘訣(ひけつ)は自分を肯定すること。たとえ厚かましくなくても、心を強く持って行動することで嫌がらせをする人たちやネット上の批判者たちの口も封じることができる」と伝えた。

三つ目の魔法の言葉は「敵がひきょうなら、よりひきょうな手法で対処する」だとし、「第10話でフリーレンが師匠のフランメと出会った過去の回想で、フランメは強大な魔力を持つ3人の魔族と対峙(たいじ)する。彼女は意図的に弱く見せて相手に力の強弱を判断させないようにした。ひきょうに見える方法ではあるものの(それにより)一撃で敵を倒した。職場には影で他人を陥れるような策略を駆使する人が常にいるものだ。そのような相手と正面から戦うよりも、一旦は弱い立場を装って回避し、意表を突いた致命的な一撃を加えるほうが効果的だ。最後まで生き残れるのは戦士でなく、そのような戦術を通して成功を収める人々だ」と紹介した。

四つ目の魔法の言葉は「直球勝負で好みを突くと上司の心をつかめる」だとし、「第12話でフェルンとフリーレンがシュタルクの誕生日プレゼントについて話していると、フリーレンは迷わず『服を溶かす魔法の薬』を選び、『男性ならこういうものをもらうと喜ぶ』と言う。これは『SPY×FAMILY』のアーニャの邪悪な笑顔に似ており、ネット上で広く拡散された。上司の好みや意見に合わせることは、お世辞ではない。自分を目立たせようとする必要はなく、心から反対するよりも、上司の意見に従って行動する方が上司に不満を抱かせない。職場では速さよりも着実さが重要だ」と言及した。

最後に、五つ目の魔法の言葉を「職場で裏工作をするずるい人には、再度チャンスを与える価値はない」とし、「第7話でフリーレンがヒンメルと一緒に人間の言葉を話す魔族の少女に対峙した時、村長は慈悲を持って村人を襲った魔族の少女を解放したが、最終的には魔族の少女は本性を現し、残酷にも村長を天国に送ってしまう。職場で自分の足を引っ張るような人物に対しては、寛容さやコミュニケーションを図る必要はなく、状況が有利に変わった時にためらわずに迅速に対応することが重要だ」と述べた。

記事は、「アニメ『葬送のフリーレン』のシーズン1、全28話はすでに完結している。シーズン2の放送開始まで、まだフリーレンへの思いが断ち切れない場合は、ユーモアたっぷりのX(旧ツイッター)公式アカウントもおすすめだ。時折、面白い劇中カットを投稿しているので、引き続きフリーレンと仲間たちの冒険を楽しめる」と結んでいる。(翻訳・編集/岩田)

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