M4搭載で最薄のiPad Pro登場 13型も追加した新iPad Air

by 臼田勤哉

iPad Air

アップルは7日、M4チップを搭載した新iPad Proや、13型と11型の2サイズ展開となる新iPad Airシリーズを発表した。7日から予約を開始し、15日から順次販売する。また、第10世代のiPadも価格改定する。

iPad Pro
ティム・クックCEO。約40分の発表会はすべてiPadに関するものだった

M2搭載のiPad Air

iPad Airは5月15日より販売開始する。11型だけでなく新たに13型もラインナップし、画面領域を30%拡大する。ストレージは、128GB、256GB、512GB、1TBが用意され、ブルー、パープル、スターライト、スペースグレイの4色展開。価格は11型のWi-Fiモデルが98,800円から、13型のWi-Fiモデルが128,800円から。

アイデアなどをより多く実現でき、Zoomで一覧できる人数も増え、画面分割の「Split View」も使いやすくした。チップはM2で、M1に比べて3倍というパフォーマンスを実現する。16コアNeural Engineの搭載により、AIパフォーマンスを向上しており、「画像を調べる」、被写体の抜き出し、テキスト認識表示といったiPadOSの機能を活用できる。

iPad Air

ディスプレイは「Liquid Retina」で、解像度は11型が2,360×1,640ドット、13型が2,732×2,048ドット。反射防止スクリーンコーティング、True Toneテクノロジー、P3の広色域にも対応する。

カメラは1,200万画素で、最大5倍のデジタルズームやFocus Pixelsを使ったオートフォーカス、パノラマ撮影、スマートHDR 4などに対応。手ぶれ補正機能も搭載。4K/60pの動画撮影も可能。新デバイスとなる「Apple Pencil Pro」(21,800円)にも対応する。

外形寸法と重量(Wi-Fiモデル)は、11型が247.6×178.5×6.1mm/462g、13型が280.6×214.9×6.1mm/617g。

M4搭載で最も薄いiPad「iPad Pro」

iPad Proも11型と13型の2モデルで、iPad史上最も薄いデザインとなる。ストレージ容量は256GB、512GB、1TB、2TBが用意され、価格は11型が168,800円から、13型は218,800円から。カラーはシルバーとスペースブラック。

iPadシリーズで初めて有機EL(OLED)ディスプレイを搭載。「画期的」という「Ultra Retina XDRディスプレイ」は、2枚の有機ELを組み合わせて輝度を上げる「Tandem OLED」により、1,600nitのHDR輝度を実現する。

解像度は、11型が2,420×1,668ドット/264ppi、13型が2,752×2,064ドット/264ppi。どちらも10Hz~120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応したProMotionテクノロジーを採用する。また、1TBと2TBモデルでは、ディスプレイ表面にナノメートル単位のエッチングを施すことで、環境光を散乱させて映り込みを低減する「Nano-textureガラス」を選択できる。

iPad Pro

チップは新開発の「M4」で、M2の4倍のパフォーマンスを実現するほか、半分の消費電力で同等のパフォーマンスを実現できるという。iPad OSも刷新する。

iPad ProはM4チップを搭載

リアカメラは1,200万画素の広角でf1.8。「アダプティブTrue Toneフラッシュ」により、“書類のスキャン”の品質を向上しており、AIを利用してカメラアプリで直接書類を自動的に識別し、影が写り込む場合はアダプティブフラッシュを使用して複数の写真を撮影し、スキャンをつなぎ合わせて品質を高めるという。

前面のTrueDepthカメラシステムは、横向きとなり、センターフレームに対応した超広角12MPカメラにより、横向きの状態で、iPadにキーボードを取りつけた状態でのビデオ会議の体験を向上する。

Thunderbolt 3とUSB 4に対応した高性能なUSB-Cコネクタを搭載する。外形寸法は11型が249.7×177.5×5.3mm/444g~、13型が281.6×215.5×5.1mm/579g~。

iPadで最薄

Apple Pencil ProやFinal Cut Proも登場

第10世代iPadも値下げし、64GBモデルが58,800円からとなった。また、動画制作アプリの「Final Cut Pro 2」や音楽制作の「Logic Pro 2」なども登場。Apple Pencil Proも発表された。

Apple Pencil Proは、軸に新たなセンサーを内蔵し、ユーザーのスクイーズ(指で強く押した状態)を感知してツールパレットを表示できる。独自の触覚エンジンは、ユーザーがスクイーズしたり、ダブルタップしたり、図形認識でスナップしたりすると、確認として軽いタップを返す。

ジャイロスコープにより軸を回転させて、ペンツールやブラシツールの向きを変える機能や「探す」アプリにも対応する。価格は21,800円。

Apple Pencil Pro

iPadのFinal Cut Pro 2は、今春後半より、既存ユーザーに無料アップデートとして提供し、新規ユーザーはApp Storeで月々700円もしくは年間7,000円のサブスクリプションとして展開する。

iPadのFinal Cut Proは、最大4台のカメラを接続してプレビューできるため、撮影をスピーディーに行なえる。また、新たにビデオ撮影アプリの「Final Cut Camera」が登場。iPadとiPhoneをカメラとして利用可能で、ワイヤレス接続したFinal Cut Cameraをプロ仕様のコントロールで、各ビデオのアングルをリモートで管理できる。

Final Cut Camera
iPadのFinal Cut Pro

また、MacのためのFinal Cut Pro 10.8では、AppleシリコンのNeural Engineを活用した新しいAI機能と管理ツールを追加する。価格は45,000円。

音楽編集用にはiPadのためのLogic Pro 2とMacのためのLogic Pro 11が5月13日から提供開始。AIを活用したパーソナライズされたバックバンド「Session Player」、古いデモ音源を蘇らせる「Stem Splitter」、音色調整の「ChromaGlow」などを搭載する。

Logic Proも刷新

MacのためのLogic Pro 11は5月13日から、既存ユーザーには無料アップデートで提供。新規ユーザーにはMac App Storeを通じて30,000円で販売する。iPadのためのLogic Pro 2は5月13日から、既存ユーザーには無料アップデートを実施。新規ユーザーはApp Storeで月々700円/年間7,000円のサブスクを提供する。

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