グーグル、「Pixel 8a」を発表

by 関口 聖

米グーグルは、Androidスマートフォンの最新機種「Pixel 8a」を発表した。8日から予約受付が開始され、14日に発売される。グーグル直販サイトでの日本での価格は7万2600円。

直販以外にも、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンクからも発売される。

「Pixel 8a」は、グーグルのAndroidスマートフォンであるPixelシリーズの最新機種。名称の最後にある「a」は、Pixelシリーズの廉価版を示す。

GoogleのPixel製品管理担当ディレクターであるソニア・ジョバンプトラ(Soniya Jobanputra)氏は、「Pixel 8aの開発にあたり最高のPixelの体験を、最高の価格で提供することを目指した」としており、カメラやAI体験を追求しつつも、価格を抑えた仕上がりとなっている。

特徴として「カメラ」「生産性」「安全性」「品質と長寿命」という4点を掲げる。

チップセット(SoC)は、Pixel 8シリーズと同じ「Tensor G3」を採用する。グーグルが開発した生成AI「Gemini nano」を利用でき、ジョバンプトラ氏はフラッグシップやハイエンド以外で「Pixel 8aは、Gemini Nanoを搭載した唯一の携帯電話」と位置づける。

グーグル直販サイトでは5月21日まで、発売記念キャンペーンが実施される。期間中に予約・購入すると、次回以降のGoogleストアでの買い物に使えるストア クレジットが2万円分、プレゼントされる。またiPhoneなどの下取りも増額されており、iPhone SE(第3世代)やPixel 7aを下取りに出すと最大3万2800円のキャッシュバックがある。

ストア クレジットとあわせ、グーグルでは「Pixel 8aを実質1万9800円で購入できる」としている。

6,1インチのActua ディスプレイ

「Pixel 8a」は、8シリーズでも採用されたグーグル独自の有機ELディスプレイ「Actua ディスプレイ」をaシリーズで初めて搭載する。

ピーク輝度はPixel 8シリーズと同じ2000nitsで、リフレッシュレートは可変で、最大120Hz(Pixel 7aは最大90Hz)。

解像度は1080×2400ピクセル(430ppi)。ディスプレイガラスはコーニング製の「Gorilla Glass 3」。コントラスト比は1,000,000:1以上で、HDRをサポート。24bit(1600万色)で表示できる。

「常に表示」で操作していないときでも時計などを表示できるほか、「この曲なに?」などをサポートする。

ミドルクラス最高のカメラを誇る

Pixel 8aの背面には、広角カメラと超広角カメラが配置される。また、ディスプレイには、いわゆるパンチホール型のフロントカメラが搭載される。

広角カメラは6400万画素(64MP)、画角は80度、F値1.89。超解像ズームで最大8倍の望遠で撮影できる。イメージセンサーのサイズは1/1.73インチ。4Kサイズの動画を30fpsか60fpsで記録できる。ピクセル幅は0.8μm。

超広角カメラは1300万画素(13MP)、画角は120度、F値2.2となる。ピクセル幅は1.12μm。

フロントカメラは1300万画素(13MP)、画角は96.5度、F値2.2。

Tensor G3を活かしたAI撮影機能として、集合写真を複数枚、撮影すると、それぞれの写真に記録された表情から好みのものを選び、たとえば全員が目を開けて笑顔のものに揃えて1枚の写真に合成する「ベストテイク」を利用できる。

また、写り込んだ不要なものを消したり、被写体を指定してサイズを変更したりできる「編集マジック」(マジックエディター)、夜景撮影などを利用できる。このほか、肌の色合いの制度を高めた「リアルトーン」、Live HDR+、ウルトラHDR、長時間露光、デュアル露出補正、ポートレートモード、パノラマ撮影、消しゴムマジック、ボケ補正、手動ホワイトバランス調整が利用できる。

Pixel 8シリーズで導入された「音声消しゴムマジック」も利用できる。これは、撮影した動画の音声から、風や周囲の人の声など雑音を小さくし音声を聞きやすくするといった使い方ができる。

動画撮影では、スローモーション(最大240fps)、4Kタイムラプスと手ブレ補正、光学式手ブレ補正、4Kシネマティック撮影などをサポート。

フロントカメラ、背面カメラの両方で「ガイド付きフレーム」を利用することもでき、目が見えない人や弱視の人でも撮影しやすくなっている。

グーグルのAIをスマホで体験

AIを活かす機能として、先述したカメラ関連が代表的なものに挙げられるが、それ以外にも、いくつかの機能が用意される。

内蔵型のAIアシスタントとして、グーグル独自のAI「Gemini」がプリセットされる。拡張機能を使えばメールを要約したり、未読メールを確認したりできる。GoogleアシスタントからあらためてGeminiをオプトインしておくと、電源ボタンの長押しなどで起動できる。

たとえば、Galaxy S24シリーズやPixel 8シリーズで導入された「かこって検索」は、Pixel 8aでも利用できる。Webブラウジングやさまざまなアプリを利用している際に起動すると、指で検索したい画像などを円を描いて囲うと認識して、検索してくれる。

通話関連では、迷惑電話かどうかを判別する機能、電話をかけているときにサポート窓口など、つながりにくい場合、いったんPixel側に電話を任せておき、つながれば知らせてくれる機能(代わりに待ってて)なども用意される。

通話時には、音声絵文字を新たに搭載する。これは、通話中の画面で、絵文字をタップして、音や視覚効果で通話相手に反応を送れるというもの。

aシリーズでもっとも高い耐久性

サテンアルミフレームに新たなマットバックカバーを採用し、より良い手触りになることを目指した。

フレームとカメラバーが金属製となり、防水・防塵性能(IP67)をサポートし、グーグルでは「aシリーズでもっとも高い耐久性」とアピールする。

ファミリーリンクで子供向けに利用時間なども設定できる

128GB版をラインアップ

ストレージ(ROM)は128GB。日本では128GBのみラインアップされるが、海外では256GB版も用意される。メモリー(RAM)は8GB。

また7年間のセキュリティアップデートと、機能追加のアップグレードが提供される。

主な仕様

セキュリティチップとして「Titan M2」が用意される。

大きさは152.1mm×72.7×8.9mm。重さは188g。

バッテリー容量は4492mAhで、駆動時間は、グーグル側のテストで15%、改善されているという。有線では18Wで充電できる。また、ワイヤレス充電(Qi認証済み、7.5W)に対応。Qi2対応とのことだが、マグネットは内蔵していない。

通信面では、5GやLTEに対応し、eSIMも利用できる。FeliCaも搭載される。

ボディカラーはObsidian(オブシディアン)、Porcelain(ポーセリン)、Bay(ベイ)、Aloe(アロエ)の4色がラインアップされる。このうちアロエは販売数量が限られたカラーバリエーションとして用意される。

純正ケース(4900円)も用意される。

Aloeケースを装着したAloeカラーのPixel 8a

© 株式会社インプレス