駐車場有料化へ検討委 富岩運河環水公園

県内有数の観光地となっている富岩運河環水公園=3月、富山市湊入船町

 富山県は今年度、慢性的な混雑が発生している富岩運河環水公園(富山市)の駐車場有料化に向けた検討委員会を設置する。混雑緩和の課題を整理し、価格設定や料金徴収の方法など管理運営方法を協議する。昨年度の利用実態調査では、休日の利用者のうち約4割が満車で駐車できなかったことが明らかになり、県は対策を急ぎたい考えだ。

 県内有数の入り込み数を誇る観光地である富岩運河環水公園は、2006年から順次無料駐車場の整備が進められてきた。現在は北地区(100台)、スターバックスコーヒー前(12台)、県民共生センター隣の「さくらの下」前(20台)、ラ・シャンス前(40台)の4駐車場で計172台分を確保している。

 県は昨年9~11月、4駐車場の利用実態調査を実施。出入り口に人工知能(AI)カメラを設置し、車両のナンバープレート情報から滞在時間を分析したところ、2分以下の利用にとどまり、満車が理由で駐車できずに出て行ったとみられるケースが平日で約3割、休日で約4割に上った。

 休日は4駐車場がいずれも日中のほぼ全ての時間帯で満車となっているほか、平日でも満車の時間帯が多かった。滞在時間が6時間以上に及ぶ車両が平日で11台、休日で20台あるなど、長時間にわたる駐車も確認された。

 県が昨年度に実施したアンケート調査では、駐車場の有料化に理解を示す回答が全体の約6割を占めたため、県は今年度本格的に有料化の検討を進めることにした。都市計画課の担当者は、無料駐車場が満車なら公園の利用を諦めてしまう場合が目立つとし、検討委で有識者をメンバーに加え、適正な有料化の手法を協議するとした。

富岩運河環水公園の無料駐車場=4月

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