【巨人】山崎伊織が評価される「度胸とクレバーさ」 原前監督に〝究極の2択〟迫られ見事な対応

チームの連敗を止める完封で3勝目を挙げた巨人・山崎伊織

巨人・山崎伊織投手(24)が7日の中日戦(バンテリン)で阿部政権初、自身2度目の完封勝利。9回まで119球を投げ4安打、6奪三振の快投で今季3勝目を挙げるとともにチームの3連敗を阻止した。

1点リードの7回一死満塁の打席でも4年目右腕に代打を送らず、完封劇をお膳立てした阿部監督は「素晴らしい完封だったと思います」と賛辞を贈り、山崎伊も「(完封は)ピッチャーの一番の仕事だと思うんで、すごいうれしい」と喜んだ。

守護神・大勢が右肩違和感で登録抹消中。さらに連戦が続く中でのチーム初完封に山崎伊の評価はうなぎ上り。そんな右腕は自身初の10勝をマークした昨季途中から〝ある理由〟で一目置かれている。

昨年4月27日の阪神戦(甲子園)で3回途中8失点と大炎上した背番号19。交代を告げるためマウンドに来た原監督(当時)から「お前さんは技術とメンタルどっちが足りないんだ?」と〝究極の2択〟を迫られた。

山崎伊は「この2択を外したら二軍(落ち)かなと思って『どっちですかね…』と(あいまいに答えた)」と振り返る。その機転を利かせたことが奏功したのか無事に一軍に残り、そのまま2桁勝利につなげたというわけだ。

チーム内からは「普通なら原さんにそう迫られたら、どっちか答えそうなもの。伊織の度胸とクレバーさは普通じゃない」と絶賛の声が上がったほど。さらに全権監督と対峙する姿にナインも頼もしさを感じていたという。

杉内投手チーフコーチも「今日はあいつ、1人で投げるって言ってたから。有言実行です」とたたえた。山崎伊のマウンド度胸と理詰め投球が4年ぶりのリーグVを目指す阿部巨人の大きな力となりそうだ。

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