【ソフトバンク】山川穂高が2戦連発 主軸の好成績の裏に「DH効果」あり

左から近藤健介、柳田悠岐、山川穂高

主軸の好成績の裏に――。首位を快走するソフトバンクは7日の日本ハム戦(みずほペイペイ)に延長12回の末、代打・周東の犠飛で2―1のサヨナラ勝ち。貯金を今季最多タイの12とし、2位とのゲーム差を4・5まで広げた。

順調に白星を積み重ねるチームを象徴する一発だった。指名打者(DH)で先発出場した4番・山川穂高内野手(32)が4回に2戦連発となるリーグトップの9号同点ソロ。前日(6日)の試合もDHだった山川は2打席連続弾を放つなど3打点と活躍した。開幕から1か月が過ぎ、試合数も30試合以上を消化して疲労がたまる中、守備の負担を軽減して故障予防と疲労回復を促す起用だった。

チーム内でひそかに話題になっているのが「DHで起用された主軸が競争するように活躍する」。絶対的主砲・柳田悠岐外野手(35)が今季ここまで放っている4発は、全てDHで出場した試合だ。6試合で10打点と勝負強さも際立っている。山川はDH起用された直近2試合で堂々の3本塁打をマーク。看過できない傾向に柳田は「すごくないすか! 山川も2打席連続で打ったりしてますしね」とニヤリと笑った。

いかにも首位を突っ走る強いチームらしい「互恵関係」が個人とチームに波及している。ある首脳陣は好循環をこう解説する。「みんな疲れがたまっている中でDHで起用される選手たちが『楽をさせてもらう分、いつも以上に打つ方で貢献する』という気概で臨んでくれるのはチームの士気を高めるし、選手同士でも刺激を与え合える」。

先月30日に開幕からDHでほぼ固定起用されてきたウォーカーが打撃不振による再調整のため二軍に降格。現状は柳田、山川、近藤のローテーションが選択肢だ。パ・リーグではDHの運用が大きなカギを握る。実績や年功序列で優先的に起用されることも多いが、当事者たちが結果を意識して刺激し合えば、個人成績とチーム成績にはね返る。結果を出さざる者に褒美なし。そんな気概が主軸陣から伝わるのは、強いチームゆえに違いない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社