プーチン大統領がスターリン超え30年独裁 親メディアが「帝国」連呼の危険な兆候

演説するプーチン大統領(ロイター)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(71)が7日、モスクワのクレムリンで5回目の就任式に出席し就任宣誓した。任期は6年となる。

2000年の初当選以来、24年も最高指導者を務めてきたプーチン氏は、計30年の長期政権を築く可能性がある。さらに20年の憲法改正で、2期12年、36年まで大統領を務めることが可能となっている。ロシアメディアは、最高指導者の地位に29年間座り続けたスターリンを超えると報じた。

プーチン氏はこの日、就任演説で「私たちはすべての国との関係強化に前向きだ。私たちは西側諸国との対話を拒否しない」と話した。しかし、ロシア国防省は6日、プーチン氏の指示で、核兵器の使用練習を含む軍事演習を実施すると発表していた。親プーチンのメディア「ツァルグラードTV」は「国防総省の報告書によると、演習では非戦略核兵器の使用も実施される。そしてこれはもはや西側諸国へのシグナルではなく、実際の行動である」と伝えた。

ロシア事情通は「最近、ロシアメディアの〝プーチンの代弁者〟と言われる司会者たちは『帝国』という言葉を使うようになりました。ソ連どころか、最大の領土を誇ったロシア帝国を思わせる言葉です。プーチン氏がロシア帝国の栄光を取り戻すことをアピールしているのです」と語る。

ロシア帝国は1721年から1917年まで存在し、現在のロシア連邦に加え、フィンランド、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、中央アジアなどを広く支配していた。

最近、〝プーチンの声〟と呼ばれるロシア国営メディアの司会者ウラジーミル・ソロヴィヨフ氏は「私はいつもフィンランド人がロシア帝国に戻りたがっていると感じていた」と発言した。

前出事情通は「ここ数か月、クレムリンがカザフスタンへの侵攻を計画していることをほのめかしていました。アルメニアとの紛争の可能性も高まっています」と指摘する。

プーチン氏の野望は世界をおびやかすことになる。

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