【広島】床田寛樹 尼崎出身なのに元から阪神に興味なし…それでも感激した〝虎レジェンド〟の激励

「地元」甲子園で、物怖じしない投球を見せた広島・床田寛樹

広島・床田寛樹投手(29)が7日の阪神戦(甲子園)に先発し、今季最多の125球を投じて8回途中無失点の快投で3勝目を挙げた。チームも2―0で勝利し、今季3度目の投げ合いとなった虎先発・村上にはいずれも敗れていただけに「うれしいですね。やっと勝てました」と充実の汗を拭った。

地元・尼崎出身の床田にとって、甲子園はプロ入り前から勝手知ったる球場。とはいえ、本人は「(阪神)ファンというわけではなかった。もともとあまり見る野球には興味がなかった」という。そんなこともあり、熱狂的な虎党が9割以上を占める完全アウェー状態のマウンドも「別にそんなに気にならないですよ」と他の球場と変わりなく平常心で投げられる。

だが「プロ野球をあまり見なかった僕でも知っている大スター」からの激励は、今でも野球界で奮闘する励みになっている。

その人物とは、阪神のレジェンド守護神・藤川球児氏(阪神球団本部付SA)。床田が初出場した2019年のオールスターで起きたブルペンでの出来事だ。

「あれはもう、めっちゃうれしかったです。球児さんの方から『床田、トミー・ジョンをしたヒジは大丈夫か?』って声をかけてくださって。こんな人が(球宴に)出てきたばっかりのヤツの名前とか、トミー・ジョンとかしたの知ってんのやって」
藤川氏とは当時が初対面だった。にもかかわらず、1年目の17年に左ヒジを手術したことなど、自らの球歴を詳しく知っていてくれていたことに受けた感激は今でも宝物だ。

この日はそんな思い出の舞台となった甲子園で、昨季のリーグMVP右腕にも投げ勝った。尼崎が生んだ鯉のエース左腕は、今や球界を代表するサウスポーとしてその名をとどろかせている。

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