【ガーデニング】秋まで長く咲く一年草8選 タネから育ててみよう

春にタネをまくのはおもに熱帯性の草花です。暖かな気候でグングン育ち、あっという間に花を咲かせます。この春はタネから育てる楽しさや、市販のポット苗より大株に育つタネまきの醍醐味を味わいませんか。今からタネをまいて晩秋まで咲き続ける一年草を紹介します。

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タネから育てるとメリットいっぱい!

園芸初心者さんにとってタネまきは、ちょっと難しく思えるかもしれません。けれども、寒さに向かう秋まきと異なり、温暖な季節の春まきは心配ご無用! タネは1週間から10日ほどで発芽して、ぐんぐん育って開花します。このスピード感に驚かされるのでは?

小さなタネが発芽する驚き、弱々しかった幼苗がすくすく育つ喜び、最初の花が咲く感動……と、植物を育てる楽しさが満喫できます。自分の育てた花にはひと際愛着が感じられるでしょう。

うまく育てられるか心配でしたら、ちょっと多めにタネまきするのもおすすめです。例えば体力のない幼苗のうちに害虫の食害にあっても、予備があれば安心。タネのお値段はポット苗に比べるととてもリーズナブル。思い切ってトライしてみてください。

市販の苗は開花した状態で店頭に並びますが、自分で育てている苗は蕾のつかないうちから寄せ植えしたり、庭に植えつけ(定植)できるので、そこからまだどんどん育ちます。同じサイズのポット苗でも、市販の苗は老化が進んでいるため、タネから育てた苗のほうが「伸びしろ」が大きいのです。

今回紹介する草花は、初夏から晩秋まで長く咲く一年草中心なので育てがいがあります。丈夫に育てて、猛暑を乗り越え秋まで咲かせましょう。

秋まで長く咲く一年草8選

次々に長く咲き続ける【ペチュニア】

開花期:3~11月
タネまき:4~5月、9月
草丈:15~30㎝

夏を華やかに彩る一年草の代表格。草姿はこんもり茂るタイプと横に広がるタイプがあり、吊り鉢から枝垂れさせるのがおすすめです。発芽適温は25℃ほどで、タネをまいてから1カ月半~2カ月で開花。開花前に株の半分ほどに切り戻すと、わき芽が伸びて花数がふえます。

吊り鉢で華やかに
シックな花色の品種もある

開花したら手間いらず【トレニア】

開花期:4~11月
タネまき:5~6月
草丈:20~30㎝

苗で出回る多年草に対して、一年草のトレニアは古くから親しまれてきました。丈夫で草姿も乱れにくいため手間がかかりません。微細なタネは発芽に光を必要とする好光性なので、覆土はしないで容器の下に水を張って吸水させます。20~25℃で10日ほどで発芽したら日当たりで育苗します。

乾燥に強い猛暑の味方【ニチニチソウ】

開花期:5~11月
タネまき:4月中旬~6月
草丈:20~60㎝

夏の高温や強光線にビクともしない丈夫さで、次々に花を咲かせる日日草。過湿や多肥は苦手です。近年人気の極小花の品種は苗でしか出回りません。20~25℃でタネまきすると発芽まで10日。植え替えを嫌う直根性なので、最初から直径10㎝のポットにまきましょう。

タネまきで失敗しない【アサガオ】

開花期:7月中旬~10月(西洋アサガオ~11月初旬)
タネまき:5月中旬~6月
草丈:20~500㎝

7月中旬から咲く日本アサガオに、8月から開花して午後遅くまで咲く西洋アサガオが加わり、楽しみの幅が広がっています。大きくて扱いやすいタネは、一晩水につけてふっくらさせてからまきます。グリーンカーテンにするなら早めのタネまきを、行灯仕立てには日本アサガオが向きます。

西洋アサガオ‘ヘブンリーブルー’
日本アサガオ

手間なく晩秋まで咲き続ける【アゲラタム】

開花期:5~11月
タネまき:4~6月
草丈:20~70㎝

熱帯アメリカ原産ですが、沖縄などでは自生しています。霜が降りる頃まで咲き続ける丈夫な一年草。好光性のタネなので覆土しないで20~25℃でタネまきすると、5~7日で発芽します。暑さや日差しに強く、多湿や肥料のやりすぎでは軟弱に育つので気をつけましょう。

初夏から咲く早生種が登場【コスモス】

開花期:6~11月
タネまき:4~8月
草丈:50~120㎝

コスモスは日長が短くなると花芽をつける短日植物で、秋桜とも呼ばれてきました。が、近年は6月から咲く品種が登場。比較的大きなタネは15~20℃で発芽率がよく、直まきも可能です。ただし、従来品種を春まきすると開花までに草丈が伸びすぎるため、7月中下旬にタネまきしてコンパクトに育てます。

苗では入手の難しい【クレオメ】

開花期:7~10月
タネまき:4月下旬~5月
草丈:60~120㎝

長いしべが突き出し、蝶の舞うような優雅な花ですが、草丈が高いため市販の苗はあまり出回りません。タネまきすることで楽しめる花。直根性で移植を嫌うので、直径10.5㎝ポットにタネまきして、ポットの中に根がきつくならないうちに庭や鉢にうえつけましょう。

多粒まきで新たな魅力【ケイトウ(セロシア)】

開花期:7~11月
タネまき:4月下旬~8月
草丈:20~150㎝

古くは鶏頭というような鳥のトサカに似た、久留米ゲイトウなどが親しまれてきました。近年はフサフサした羽状のノゲイトウがセロシアと呼ばれて主流です。なかでも、小さな鉢にタネをたくさんまいて密植させる「多粒まき」は、コンパクトに育ってかわいらしく人気を集めています。

トサカ系
ノゲイトウ

春のタネまきで発芽の喜びを味わおう

植物はそれぞれ発芽に適する温度があります。春のタネまきではたいがい20℃前後が適します。寒さに向かう秋まきとは違って、春のタネまきはあまり急がなくても大丈夫。十分暖かくなってからトライしましょう。

タネまき用には肥料分が含まれず、清潔な「タネまき用土」を用いると安心です。ただし、ヒマワリやアサガオのように大きなタネは、一般的な培養土にまけます。発芽までは用土が乾かないように気をつけてください。微細なタネは水やりで流れてしまうこともあるので、受け皿に水を溜めて底面から吸水させてもよいでしょう。

かわいらしい双葉(子葉)が見られる発芽の喜びは格別です! タネまき用土には肥料分がないので、本葉が繰り出したら規定量より薄く希釈した液体肥料を与えます。日当たりに置いてしっかりした株に育てましょう。

本葉が5枚ほどに育ったら、直径10㎝ほどのポットに草花用培養土で1株ずつ移植して育苗します。ポットの中で根がよく張って株が充実したら、庭や鉢に定植しましょう。気温が上がると病害虫の被害が出やすいので、丈夫な株に育ってから定植すると安心です。

タネまきの楽しさを味わって、お気に入りの草花を秋まで長く咲かせましょう。


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