札幌開拓使麦酒売捌所が「BREWERY 1876」としてリニューアル! 5月9日グランドオープン

北海道札幌市、サッポロビールの発祥地内にあるマイクロブルワリー「札幌開拓使麦酒醸造所」。2024年5月にリニューアルを果たし、「BREWERY 1876」として9日にグランドオープンすることが決まりました。一足先にソフトオープンに行ってきたのでご紹介いたします。

サッポロビール創業の地にリニューアルされた「BREWERY 1876」

場所は、札幌・開拓使麦酒の発祥地であり、現在は「サッポロファクトリー」という商業施設になっているところ。住所でいえば北2条東4丁目で、札幌駅からも大通駅からも散策気分で歩いていくことができます。

シンボル的な煙突のすぐ足元にあります。

大正期に建てられた建物の外観を残す札幌開拓使麦酒は、1997年の創業以来ビールを造り続けていますが、試飲場は耐震工事が必要となり約3年間休業しておりました。この間、札幌開拓使麦酒を現地で飲むことができず、「サッポロビール園」のある隣町の苗穂まで行かなければなりませんでしたが、再び出来立てのビールを当地で飲むことができるようになりました。

これまでのテイスティングルームは「売捌(うりさばき)所」という名称でした。今回「BREWERY 1876」という名称に変更。「1876」は、もちろん開拓使麦酒の開業の年号です。

開放的な店内は、スタンディングのみですが10名ほど入ることができます。屋外の煙突広場で飲むことも可能です。

なお、お会計はキャッシュレス決済のみ(現金不可)ですのでご注意ください。

提供されているビールについて

ビールは「ピルスナー」「アルト」「ヴァイツェン」の3種類。

ピルスナー

」は、開拓使麦酒の創業当時の味わいを目指して造られています。原料は麦芽もホップも北海道産を贅沢に使っています。

アルト

」は、レンガをイメージした褐色の色合い。ドイツ風のエールです。

ヴァイツェン

」は、珍しいことに酵母をろ過した「クリスタル・ヴァイツェン」です。ピルスナーとの飲み比べが一興です。

軽いおつまみもあります。写真はサッポロビール園の味付けを再現した「ジンギスカンジャーキー」。

カップはリユース可能なアルミ製で、希望すれば持ち帰ることもできます。

ビール製造現場も見学しよう

「BREWERY 1876」は、札幌開拓使麦酒の醸造所とも直結しています。店舗のすぐ隣には貯酒タンクがあり、仕込釜も自由に見学が可能です。

見学館内は、ビールの歴史をたどるコーナーもあり、ちょっとしたビール博物館となっています。

そして、ここまで来たら、ぜひ「サッポロファクトリー」の中にもお入りください。館内にはあちこちにビール工場のパーツを使ったオブジェがあるので探してみてください。

仕込釜の輪切りオブジェ
エレベーターにはメーターが
こんなところにもパイプのコック
道案内にもさりげなく

明治政府の開拓使は、北海道内で野生ホップが見つかったことをきっかけにビール事業を始めようとしたときに、最初は東京の青山で醸造しようとします。「それでは良いビールができない」と見越して、この札幌に醸造所建設を認めさせた村橋久成と中川清兵衛のお話は、ここから15分ほど歩くとある苗穂の「サッポロビール博物館」で知ることができます。

現在(2024年)、秋までの毎週土曜日に「SAPPORO BEER TOURISM」というガイドツアーも行われています。この開拓使醸造所からサッポロビール園までに点在する「ビール遺産」を歩くツアーです。ぜひご体験ください。

https://www.discover-ezo.com/sapporo-beer-tourism/

以前に参加したときのレポートがこちらです。

また、2024年夏までは、JR札幌駅構内に「SORACHI 1984」の専門店「BEER STAND SORACHI」もオープンしています。

「BREWERY 1876」店舗情報

〒060-0032 札幌市中央区北2条東4丁目 サッポロファクトリー煙突広場

営業時間/12:00~20:00

定休日/年末年始のみ

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