食パンの外側を「耳」と呼ぶのはなぜ? 英語でも“体の一部”で呼んでる? 気になったので調査した

普段意識せずに食べている食パンについて調べてみた

2024年2月に総務省が発表した家計調査によると、『2人以上の世帯の「パン」の消費額』において神戸市(兵庫県)が全国の県庁所在地や政令指定都市の中で1位になりました。さらに2位は和歌山市(和歌山県)、3位は大津市(滋賀県)という結果に。上位を独占するほど関西圏で人気の高いパンですが、知らないことも多いのでは。例えば、どうして食パンの外側の茶色い部分を「耳」と呼ぶのでしょうか? 今回は「パンの耳」について考察してみました。

【写真】パンの耳、英語でも体の一部で呼ばれるという

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山崎製パンのホームページによると、1903年(明治36)に出版された『食道楽』という本の続々編には、サンドイッチのつくり方の中で「縁の硬い處(ところ)を切り捨てて……」という記述があることから、当日はまだ「耳」という言われ方をしていなかったと考えられます。

ちなみに、広辞苑で「耳」の項を見ると「織物・紙類または食パンなどの縁、またその縁の厚くなったところ」とあり、織物や紙の縁を「耳」と呼んでいたのが食パンにも流用されたのかもしれません。「耳を揃えて~」といういい回しからついた、という説もあるようですが、いずれにせよいつ頃から使われるようになったのかはハッキリ分かっていないとのこと。ちなみに、英語ではcrust や「かかと」を意味するheelと呼ばれているそうです。

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ふだん気にも止めないことをあらためて考察してみると、新たな発見があっておもしろいかもしれません。

(取材・文=迫田ヒロミ)

※ラジオ関西『Clip水曜日』2024年5月7日放送回より

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