水を張らない稲栽培実証へ 中電、農業ベンチャーと提携

 中部電力は、農業ベンチャーのNEWGREEN(本社東京都)と資本業務提携したと発表した。NEWGREENが実施した第三者割当増資に対して約1億円を出資し、同社株式を取得。2024年度から、中部エリアで水を張らない稲栽培の実証を始める。生産性が高く、脱炭素な栽培方法によるコメの生産を通じ、農業分野の社会課題の解決につなげる食料インフラの構築などにつなげる。

 提携先のNEWGREENは、水田の自動抑草ロボットの開発、製造や低環境負荷米の生産支援などを行う。

 同社が進めるコメの栽培方法は、水を張らない田んぼに種もみを直接まいて、稲刈りまで基本的に水を与えない。稲が雨水や地下水から水分などを摂取することで成長する資材を活用する。同栽培方法により、労働の約6割を占める田植えや水管理などの作業を省力化し、大幅な生産性向上を実現する狙い。

 水を張らない稲栽培をすることで、メタンなどの温室効果ガスの発生を抑制できる。実証を通じ、広い面積での栽培体系の確立などを目指す。

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