【漫画】霊感アリ少年とナシ女性のバディ、ライブ配信中に起きた怪異をどう解決? 現代的ホラー漫画が怖い

創作は時代に合わせてアップデートされていく。ホラー作品においても同様で、新しいサービスやテクノロジーが普及するごとに、それをモチーフにした恐ろしい作品が誕生している。4月中旬にXで公開されたオリジナル漫画『霊感あり少年と霊感なし女性のコンビモノ』は「動画配信」や「都市伝説」のようなトレンドを含み、結末が気になる作品だ。

霊媒師のめありと頁は、自身が管理人を務める家でライブ配信をしていた配信者が突然姿を消した事件を調べてほしいという依頼を受ける。2人はその家に訪れるが配信者の姿はやはりなく、頁は幽霊の仕業と悟る。そして、頁は配信者を救い出すために幽霊が存在する世界に足を踏み入れる――。

本作を手掛けたのは、小学1年生から漫画制作を始め、その後はホームページを作って漫画を掲載したり、ウェブ漫画やウェブ小説の投稿サイト『新都社』でも連載を持つ有咲めいかさん(@meika731)。現在は商業漫画の制作も行っていると話す有咲さんに、本作誕生の経緯など話を聞いた。(望月悠木)

■当初は商業漫画として制作

――『霊感あり少年と霊感なし女性のコンビモノ』を制作した背景は?

有咲:もともとホラーが好きなので、『一度ホラーモノを描いてみたいな』と思っていました。当初は「商業漫画として」と考えていたのですが、没になってしまったんです。それから1~2年ほど経ち、「発表の機会も無さそうだな」と思い、今回Xで公開しました。

――ホラーモノはいろいろな切り口がありますが、なぜ霊媒師をメインにしたのですか?

有咲:澤村伊智さんの小説『比嘉姉妹シリーズ』、映画『ノロイ』『貞子vs伽椰子』などを手がけた白石晃士監督、映画『境界カメラ』『呪いの黙示録』などを手がけた寺内康太郎監督の作品が好きなので、「霊能力者が登場する漫画を描きたい」と思ったことが大きいです。

――ちなみに日奈子が幽霊と鬼ごっこするため、線香に火をつけたり自分の髪の毛を燃やしたりなどの“儀式”をしていました。この儀式は何かを参考にしているのですか?

有咲:商業漫画と考えていたため、「既存のものは使わないほうが良い」と考えたため、この儀式はオリジナルで考えました。

■1話は本当は違う話だった?

――生配信中に配信者が閉じ込められ、頁がその閉じ込められた世界に入って…という怒涛の展開が面白かったです。ストーリー構成を考えることはとても大変そうですが。

有咲:「めありがこの家の謎を解明するためには、どういう順番で物語を進めたら読みやすいのか?」という部分を考えるのが大変でした。

――なぜ幽霊をやっつけるのではなく、“攻撃対象を変更して追い払う”という結末にしたのですか?

有咲:「めありと頁が霊と対峙して解決する」というストーリーを1話として描こうと思っていました。ただ、それではめありと頁がどのような人物なのかが伝わらないと考え、「2人の自己紹介のような物語を1話にしたほうが良いだろう」という狙いから、今回の結末になりました。

――本作はラフで描かれていましたが、仕上げて再度アップする予定はありますか?

有咲:時間があれば描きたいです。

――最後に今後の漫画制作における目標など教えてください。

有咲:商業でも趣味でも読者さんに漫画を届けられればと思っています。今後もよろしくお願いします。

(望月悠木)

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