マカオ、中国本土からの旅客が拾った現金着服し逮捕…無認可宿泊施設滞在も露見

拾得物不当占有容疑で逮捕された女(写真:マカオ治安警察局)

 マカオ治安警察局は5月7日、マカオ半島北部にある中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション前の關閘廣場付近で拾得した現金を届け出せず着服したとして中国本土からのインバウンド旅客の女(30代、自称無職)を拾得物不当占有容疑で逮捕したと発表。

 同局によれば、5月4日に地元の女性から關閘廣場を通りがかった際、雨を避けるため近くのビルまで走った際に4万人民元(日本円換算:約87万円)の現金が入った黒いビニール袋を失くしたことに気づき、探しに戻ったが見つからず、何者かが拾って持ち去った可能性があるとの通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けた同局が「天眼」と呼ばれる公共エリアの監視システムを活用し、容疑者の女の身元を特定。翌(5)日、現場からほど近い場所で逮捕に成功。女は同局の調べに対して現金を拾得したことを認めたが、着服については否定し、天候が不安定だったため、すぐに届け出ができなかったなどと供述したという。

 なお、同局が女のマカオの滞在先はマンションの一室で、家宅捜索を実施したところ、室内に別の中国人(中国本土居民)の男8人と女1人がおり、いずれも友人や同郷の者を通じ、1泊または1ヶ月単位で費用を支払って滞在していたと説明したことから、無認可宿泊施設の疑いが浮上。その後、宿泊施設の許認可を管轄する旅遊局の調査が入り、無認可宿泊施設であることが確定し、封鎖に至ったとのこと。また、捜索において、容疑者の女が借りていたベッドから4万人民元が発見されたとした。

  マカオでは、拾得物不当占有事案がしばしば発生しており、同局が市民及び旅客に対して物品を拾得した場合には必ず警察に届け出をする必要があると注意を呼びかけている。

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