4K/144Hzゲーム対応の42型有機ELビエラ。サクサク動作のFire TV搭載

by 阿部邦弘

42型4K有機ELビエラ「TV-42Z85A」

パナソニックは、4K/144Hzのゲーム映像が入力できる4K有機ELビエラ「Z90A」「Z85A」シリーズ・4機種を、6月21日より順次発売する。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は22万円前後(42型)から。

Z90Aシリーズ
・65型「TV-65Z90A」 約40万円 6月21日発売
・55型「TV-55Z90A」 約29万円 同上
Z85Aシリーズ
・48型「TV-48Z90A」 約23万円 7月19日発売
・42型「TV-42Z90A」 約22万円 同上

パナソニックとAmazonがビエラ用にカスタムチューンしたFire TV OSを採用する、ハイグレード、およびスタンダードクラスの4K有機ELビエラ。両シリーズとも、独自の発光制御によるハイコントラストな有機ELディスプレイを搭載。新しい映像エンジンや高リフレッシュレートなゲーム信号入力も新たにサポートしている。

同日発表のフラッグシップ有機ELビエラ「Z95A」や液晶ビエラ「W95A」シリーズなどは別記事を参照のこと。

65型4K有機ELビエラ「TV-65Z90A」

独自の発光技術で高輝度化。新開発「デュアル超解像」も

全モデルで4K/3,840×2,160ピクセルの有機ELパネルを使用。上位モデルのZ90Aのみ、バックカバー一体型放熱プレートとセルを独自の素材で張り付けた「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を採用する。

画素単位で明るさや色の情報を個別で制御する「Dot Contrast パネルコントローラー」は両シリーズに搭載。独自制御により、明部の豊かな階調や色表現を実現している。

55型4K有機ELビエラ「TV-55Z90A」

前モデルから進化したのが、Z90Aが搭載する、パネルの発光性能をコントロールする技術「Bright Booster」。

これまでは3次元映像信号解析と温度センサーでパネルの発光状態を画素ごとに管理してきたが、新たに、パネルの発光性能をリアルタイムに解析する仕組みを追加。その解析結果も制御に反映し、独自の電流制御アルゴリズムでパネルを駆動することで、パネルの発光性能を一段と高めることができるようになった。

Z90A/Z85A共に、処理性能を高めた「新世代AI高画質エンジン」を新搭載。従来の高画質処理を継承しながら、より高度な信号処理を可能にした。

新しく追加された高画質処理が「デュアル超解像」。従来行なってきた“数理モデル3次元超解像”と、今回から新たに加わる“AI超解像”をミックスさせたもので、自然なアップコン処理と、AIによる強力かつ高精細なアップコン処理の割合を、素材に応じてコントロールすることで、従来の超解像を上回る解像感とリアルさを実現。地デジ放送やネット動画などが、よりキレイに楽しめるという。

また、ネット動画で目立ちがちな、バンディングノイズも新エンジンで処理。等高線のような、縞模様上のノイズが目立ちにくくなり、精細感もキープできるようにした。

新世代AI高画質エンジン
デュアル超解像
ネット動画ノイズリダクション

映像モードは、フィルムシネマが「FILMMAKER MODE」へと変更。“映画監督をはじめとした映像制作者の意図した映像を忠実に再現すること”を目的に、UHDアライアンスが開発したモードとなっており、同モードを選択すると、色温度がD65に固定され、フレーム補間やNRなどの映像処理が行なえなくなる。

また、室内環境に応じて自動的にドルビービジョンの画質を最適化する「Dolby Vision IQ」の新機能“Precision Derail”もサポートした。

48型4K有機ELビエラ「TV-48Z85A」

Fire TV OSを初採用。対応アプリが大幅アップ

2024年モデルでは、従来の独自OSから、スティック型ストリーミングメディアプレーヤーで高いシェアを持つAmazon「Fire TV OS」へ変更。従来30種類程度だった対応アプリ数を大幅に増加させると共に、ネット動画やサービスを横断して選べるホーム画面と、サクサクと快適に操作できるレスポンス性を実現した。

実際のホーム画面

メニューもビエラ専用にカスタマイズされており、ホーム画面には、現在放送中のテレビ番組(地上・BS・CS)も表示可能。番組とネット動画を“チャンネルを切り替える感覚”で変更できるようになった。

従来ビエラで実現していた独自機能も継承。テレビ番組表に配信番組を表示する機能や別部屋のビエラ/ディーガ内の録画番組を視聴・転送する「お部屋ジャンプリンク」(4K含む)、録画番組を外出先からスマホ視聴する「Media Access」、全自動ディーガと連携した「過去未来番組表」、「2画面表示」なども、新しいモデルで楽しめる。

EPG画面も従来とほぼ変わらない

Fire TVになったことで、ネットワークを使った機器連携も拡張されている。

エアコンや見守りカメラなどのAlexa対応機器をビエラから音声で操作したり、AndroidスマホやWindows PCの画面をビエラにミラーリングすることが可能。A90Zの場合は、USBカメラを接続してビデオ通話することもできる。

なお、Fire TVアプリの利用には、Amazonアカウントの作成・サインインが必要となる。

48型以外は、4K144Hzサポート

HDMIのスペックもアップデート。Z90Aの65型・55型、Z85Aの42型は、従来の4K/120pから、最大4K/144pまでの高リフレッシュレート信号の入力に対応。4K/144Hz対応の最新PCゲーム・グラフィックボードを接続すれば、滑らかでチラつきのない高精細映像が楽しめる。Dolby Visionゲームに関しても、従来の60Hz対応から、144Hzまでの対応に拡張されている。なお、Z85Aの48型は、4K/120pまでの対応となる。

ゲーム画面を表示しながら、画質などの設定を呼び出せる専用メニュー「ゲームコントロールボード」は、UIをリニューアル。倍速モード等の全項目が1画面内に収まるようにサイズ調整され、一覧性が向上。AMDなど、認証グラフィックボードのアイコンも表示できるようになった。

また、暗部をより沈める暗部視認性調整を追加。これまではFPSなどで敵が発見しやすいように“暗部を持ち上げる”調整しかできなかったが、グラフィックが作り込まれたRPGなどは、暗部を沈めてダークに演出することでゲームへの没入感を高める効果があるという。

ゲームコントロールボード

サウンドシステムは、Z90Aがイネーブルドスピーカー・ウーファー・パッシブラジエーターによる80W出力の「360立体音響サウンドシステム」、Z85Aが高剛性スピーカーボックスを使った30W出力のサウンドシステムを搭載する。

両シリーズ共に、立体音響のDolby Atmosをサポート。テレビ本体のスピーカーで立体音響を再生できる。新たにアプリ対応するSpotifyなどのサブスクはもちろん、Amazon MusicであればAtmosコンテンツも楽しめる。

リモコン

チューナーは、BS4K・110度CS4Kチューナー×2、地上/BS・110度CSチューナー×3を搭載。別売のHDDを接続する事で裏番組録画ができるほか、2K+2K放送や4K+2K放送、4K+4K放送の2番組同時録画も行なえる。

© 株式会社インプレス