元ビルズHCでブロンコスの“オレンジ・クラッシュ”ディフェンスの構築者でもあるジョー・コリアーが逝去、享年91

ジョー・コリアー【NFL】

かつてバッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)を務め、デンバー・ブロンコスの有名な“オレンジ・クラッシュ”ディフェンスを構築した経歴も持つジョー・コリアーが亡くなった。91歳だった。

コリアーがコロラド州リトルトンの自宅で亡くなったことを現地6日(月)夜にコリアーの家族が正式に発表したとブロンコスは述べている。

「オレンジ・クラッシュ・ディフェンスの構築者であり、3度のスーパーボウル出場に貢献した伝説的な元守備コーディネーター(DC)ジョー・コリアーの訃報に接し、深い悲しみに暮れています」

「ブロンコスからの声明文」

「有名なオレンジ・クラッシュディフェンスの構築者であるジョー・コリアーはデンバー・ブロンコスの歴史において最も影響力の強いコーチの1人であり、史上最高の守備コーディネーターとして評価されていました。彼は3-4ディフェンスでNFLに革新をもたらし、このフランチャイズで積み重ねた20年以上にわたるキャリアの中でブロンコスの3度のスーパーボウル出場に貢献しました」

「知的かつ謙虚で、物腰の柔らかいコリアーは、ブロンコスが1970年代から1980年代にかけて長きにわたって優勝候補として台頭する中、5人の異なるヘッドコーチに安定したリーダーシップを発揮していました。ブロンコスのリング・オブ・フェイマー12人、プロボウルに選出された11人、2024年にプロフットボールの殿堂入りを果たしたラインバッカー(LB)ランディ・グラディシャーなど、デンバーの数え切れない選手やコーチに多大な影響を与えてきました」

「コリアーのブロンコスへの忠誠心は競技場を超え、20年以上にわたってリング・オブ・フェイム選考委員会のメンバーとして、歴代の名選手を表彰することに尽力してくれました。ジョー・コリアーの素晴らしい人生とキャリアを祝福するとともに、彼の3人の子どもたち(ジョエル、ジュリー、リサ)、そして彼の家族全員と多くの友人たちに衷心より哀悼の意を表します」

今夏にグラディシャーがカントンに迎えられることについて、『Associated Press(AP通信)』の取材に応じた際に、コリアーは「待ちに待ったことだ。これほど誇らしいことはない。ランディはうちのディフェンスの偉大なリーダーだった」と述べている。

「ジョー・コリアーはゲームの真の革新者であり、ブロンコスの歴史において最も影響力のあるコーチの1人でした」

「コーチ、寂しくなります」

コリアーは、グラディシャーが殿堂入りすることで、今日のファンにグラディシャーがいかに冷静で効率的なタックラーであったかを示すと同時に、より多くのオレンジ・クラッシュ・ディフェンスのメンバーが殿堂入りするための門戸が広がるという2つの効果を期待していると語っていた。

コリアーは1969年から1988年までブロンコスのコーチングスタッフとして20シーズンを過ごしており、その在任期間は21年在籍したマイク・シャナハンに次いで2番目に長い。コリアーはブロンコスが168勝132敗7分という成績を残し、5度の地区優勝と3度のスーパーボウル出場(1977年シーズン、1986年シーズン、1987年シーズン)を果たすのに貢献した。

これまでに8回スーパーボウルに出場しているブロンコスは、1977年シーズンにコリアーのディフェンスに導かれながら初めてのスーパーボウル出場を成し遂げた。当時のプレーオフでピッツバーグ・スティーラーズとオークランド・レイダースに勝利したブロンコスは、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の王者となっている。スーパーボウルではダラス・カウボーイズに敗れた。

コリアーはウエスタンイリノイ大学(1957年から1959年)でコーチとしてのキャリアを開始した後、プロフットボールの世界へと足を踏み入れ、1960年から1961年にかけてボストン・ペイトリオッツのアシスタントを務めている。1962年から1965年にかけてはビルズのラインバッカーとディフェンシブバック(DB)を指導し、1966年から1968年にはヘッドコーチとして活動。最終的にはペイトリオッツに戻り、1991年から1992年まで守備コーディネーターを務めた。

コリアーはビルズの指揮官として13勝16敗1分の成績を残し、1966年には9勝4敗1分でAFL(アメリカン・フットボール・リーグ)東地区優勝に導いた。

ノースウエスタン大学で2度、オールアメリカ・ディフェンシブエンドに輝いたコリアーは、1954年ドラフトでニューヨーク・ジャイアンツから指名されている。

コリアーは3人の子ども、4人の孫、4人のひ孫を残してこの世を去った。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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