カナダの心霊番組で亡くなった娘と勝手に交信 両親がTV局に謝罪要求「トラウマになった」

ドキュメンタリーシリーズ「ジ・アザー・サイド」(エンゼル・エンターテインメントのホームページから)

カナダの心霊ドキュメンタリーシリーズ「ジ・アザー・サイド」の1月放送回に対し、「亡くなった娘と交信し、死を悪用した」として両親が謝罪を求めた。放送したカナダ専門チャンネル「APTN」はアーカイブから当該放送回を削除した。

オリビア・マハニーさん(17歳=当時)は2年前、ブリティッシュコロンビア州のビクトリア・ダウンタウンのワーフストリート1250にある建物の外で、薬物の過剰摂取により死亡しているのが発見された。彼女の事件は多くのメディアで取り上げられ、現在、敷地の入り口には記念碑が設置されている。

マハニーさんの遺族は、「ジ・アザー・サイド」の1月のエピソードで、建物内でオリビアという名前の霊と接触していることを知ったと話している。キャスト陣は追悼の場所だったプランターボックスに花を手向けた。

マハニーさんの父親マイケルさんは「超常現象に関するテレビ番組のエピソードがトラウマになっています。リアリティー番組は時として限界を超え、人々、両親、姉妹、兄弟、祖父母に与える影響を考慮していないように見えます。このエピソードを見てから何日も眠れませんでした。彼らは娘の悲劇に対処する立場にはないと思います」と語る。

母親サラ・ポルナーさんは「彼らは、オリビアが悪霊と一緒にいると言っていました。娘は怖がっていて、自分に何が起こったのか分からないそうです。私たちは娘を安らかに眠らせたはずでした。でも、安らかに眠ってないと聞かされて、またしても娘を失った気分になりました。彼らは娯楽のために彼女の死を利用したような気がします」と話す。

APTNは「『ジ・アザー・サイド』のチームが語った物語を家族が知らなかったことを知り、私たちは心を痛めました」として、当該放送回を削除。制作したエンゼル・エンターテインメントは「われわれはエピソードを削除するというAPTNの決定を支持する」と述べた。

「ジ・アザー・サイド」は、先住民の長老の指導を受けて、超常現象調査チームが霊の背後にある真実を追求する30分のドキュメンタリーシリーズ。

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