5月8日、山下智久(39)主演の連続ドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系/水曜夜10時)の第3話が放送される。本作の第1話(4月24日)は、世帯視聴率8.6%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。22年4月期の『ナンバMG5』から続く『水10』枠で初の8%台を叩き出すなど、現在放送中の4月期の連続ドラマでも特に勢いがある作品として注目を集めている。
「4月末でようやく4月期連ドラが出揃いました。現在、テレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率を見ても、『ブルーモーメント』は4月期連ドラでトップ5に入る好調ぶりです。
その一方で、意外な作品の数字が高かったり、逆に低かったり……注目点は多いですね」(ドラマ制作会社関係者=以下同)
今回は4月期連ドラの、初回のコア視聴率トップ5をランキング形式で紹介する。
【以下、4月期ドラマの複数作品のネタバレを含みます】
■5位『366日』(フジテレビ系/月曜夜9時~)
主演:広瀬アリス(29) 初回(4月8日)コア視聴率…2.7%
『366日』は “10数年ぶりに再会した両片思いの同級生・水野遥斗(眞栄田郷敦/24)が交通事故で重体になる”という第1話からスタートした作品。恋愛ドラマというより、主人公カップル以外の同級生たちのことも描く群像劇のような作品である。
「丁寧な作風は好評ですが、第5話(5月6日)で描かれた“遥斗が事故の後遺症で記憶障害を患っていた”という展開には、不満の声も目立ちます。本作というより、4月ドラマ全体に対する不満ですが……」
4月期連ドラは、“記憶喪失”が物語の肝になっているドラマが5本もある。杉咲花(26)主演の『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系/月曜夜10時~)、川口春奈(29)主演の『9ボーダー』(TBS系/金曜夜10時~)、生見愛瑠(22)主演の『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系/火曜夜10時~)、中村アン(36)主演の『約束~16年目の真実~』(日本テレビ系/木曜夜11時59分~)、そして『366日』だ。
そのためX(旧ツイッター)では《記憶喪失展開多すぎるだろ》というツッコミが殺到しているのだ。『366日』は折り返し地点に入っているので、他のドラマとの差別化に期待したい。
■キムタクが山Pに負けた
■4位『Believe―君にかける橋―』(テレビ朝日系/木曜夜9時~)
主演:木村拓哉(51) 初回(4月25日)コア視聴率…2.8%
『Believe』は木村演じる土木設計家・狩山陸が、「一度はふたをした真実」を明らかにするために刑務所から脱走を図る物語。テレ朝の開局65周年記念作でもあるため、ロケやCGの演出から番宣活動まで、局サイドの強い気合いを感じさせる作品である。
「“キムタク”のブランド力や放送前の大々的な宣伝・告知などを考えると、初回の数字2.8%はやや低めに見えます。しかし、考慮すべきは、テレ朝の番組は、特にドラマは以前からコア視聴率が取りづらい傾向にある、ということ。バラエティを除くと硬派な番組が多く、シニア層が良く見るチャンネルですからね。それを考えるとほぼ3%というのは検討していると言える数字でしょう。
第3話(5月9日放送)で物語が大きく動くことが予告されているため、その展開次第で数字を急上昇させるかもしれません」
■3位『ブルーモーメント』(フジテレビ系/水曜夜10時~)
主演:山下智久 初回(4月24日)コア視聴率…2.9%
旧ジャニーズの先輩である木村の数字を、山下(20年10月退所)が超える形となった。『水10』枠は、若者層に大人気の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が放送されており、それを考えると2.9%というのは合格点だろう。
「高いカリスマ性を持つ山下さんが、“視聴率男”の木村さんを凌駕しつつある、とも言えるのかもしれませんね。もちろん現在も木村さんは人気ですが、時代の移り変わりを感じさせる激変結果となりました。
作風も、山下さんの代表作『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』シリーズ(フジテレビ系/08年7月~)や、鈴木亮平さん(41)主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系/21年7月期)のような感じで、映画化を狙っているようなクオリティの高さ。1話と2話では、主人公の晴原柑九朗(山下)と対立していた消防班班員の園部優吾(水上恒司/24)が良きバディへと変わっていく熱いドラマが描かれ、2人のタッグが大人気を博しています」
第3話(5月8日放送)は、主要キャラで脳外科医・汐見早霧(夏帆/32)のメイン回と予告されている。晴原(山下)を中心に、メインキャラの魅力を掘り下げていく――チームものの、王道の構成かもしれない。
■2位は意外なドラマだったが…
■2位『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系/日曜夜10時30分~)
主演:間宮祥太朗(30) 初回(4月7日)コア視聴率…3.0%
『ACMA:GAME アクマゲーム』は「日本テレビの大型プロジェクト」として制作された作品。初回放送が夜10時からの30分拡大SPであること、主演の間宮を筆頭にSixTONES・田中樹(28)、竜星涼(31)など人気俳優が多数キャスティングされていることからも、注目度の高い作品だった。第1話こそ頭脳戦の面白さなどから好評だったのだが……。
「いわゆる“初回切り”をする人が多かったのでしょう。世帯視聴率は初回が5.7%だったのが、第2話(14日放送)で3.7%と大幅ダウン。現在も数字は回復していなくて、4話(4月28日)時点で世帯3.5%、コア2.0%と大失速しています。
初回が良かっただけに残念ですが、本作は『Amazonプライムビデオ』で日本語や英語など8言語の字幕を付与したうえで150以上の国と地域で順次配信予定。日テレとしては世界市場に期待しているところがあるのかもですね」
■1位『アンチヒーロー』(TBS系/日曜夜9時~)
主演:長谷川博己(47) 初回(4月14日)コア視聴率…4.5%
現在、最も数字が獲れる枠であるTBS「日曜劇場」の『アンチヒーロー』が、4月期連ドラの初回1位だった。2位の『アクマゲーム』と1.5%差を開けているところに、盤石の強さを感じさせる。
「北村匠海さん(26)や野村萬斎さん(58)などメインキャストの時点で超豪華ですが、第4話(5月5日放送)で藤木直人さん(51)と、9年ぶりの連ドラ出演となった吹石一恵さん(41)の出演がサプライズ発表された。物語が面白いだけではなく、話題作りも非常に巧みですよね。ストーリーは謎が多く、Xでは考察も沸騰していて、このまま4月期連ドラトップを独走しそうです」
まとめると、4月期連ドラの初回コア視聴率は、以下の通り。
5位『366日』…2.7%
4位『Believe』…2.8%
3位『ブルーモーメント』…2.9%
2位『アクマゲーム』…3.0%
1位『アンチヒーロー』…4.5%
山下の『ブルーモーメント』が木村の『Believe』を上回っていたり、初回に限ってだが遅い時間帯の『アクマゲーム』が大善戦したりと、意外な結果となった4月期の連続ドラマの初回コア視聴率。各ドラマまだまだ先は長い。多くの視聴者に「面白い」と思わせて数字を伸ばす作品は、果たしてどの作品になるのだろうか――。