犬が苦手なもの、どうつきあえばいい?人がキライ、雷がコワイ犬への対応法とは

愛犬のスキ・キライをどれぐらい把握できていますか? キライを取り除き、スキを増やす毎日にして、ストレスとは無縁の一生に導きましょう! 今回は犬に多く見られる「人ストレス」と「音ストレス」への対応を獣医師で獣医学博士の増田宏司先生に聞きました。

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人ストレスをどう減らす?

とくに対策もとらないまま、愛犬に苦手な人とふれあわせ続けると、「キライ」という気持ちが積み重なり、愛犬のストレスに。うまく対処することで、キライの気持ちを緩和させましょう。

苦手な人が近づいてきたら飼い主さんが盾になる

愛犬が苦手に感じている人が近づいてきたら、相手に失礼がないよう注意しつつ、飼い主さんが愛犬と相手の間に入りこみ、愛犬の視界からその人を遮りましょう。小型犬なら抱っこしたまま体ごと背を向けてもOK。

イラスト/船越谷 香

複数人で散歩してみる

散歩中に通行人を怖がるなど、事前に避けられない場合には、家族やいぬ友などの数人で散歩するのも手。スキな人が複数寄り添ってくれれば心強くなり、キライの気持ちが薄まりやすくなります。

イラスト/船越谷 香

愛犬に好かれている人をお手本にする

愛犬が苦手意識をもっている人が、家族や知人の場合は、愛犬に好かれている人の特徴をよく観察し、ノートに書き出すなどしてマネしてみて。声の高さや表情、手の使い方など、意外なところにヒントが隠れているかも。

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ちなみに……飼い主さんが嫌いな人は愛犬も嫌いになる!?

2015年に京都大学で行われた実験によると、犬は飼い主さんに非協力的な人を嫌うことがわかっています。愛犬が苦手に感じている人がいれば、その人と飼い主さんが仲よくしている様子を、あえて愛犬の目の前で見せてみるのも手かもしれません。

音ストレスをどう減らす?

正体のわからない突発的な音が苦手です。雷などの突然鳴る大きな音は警戒心をあおるため、苦手に感じがち。救急車のサイレンなど、音が嫌な記憶と結びついている場合もあります。

チャイム音が鳴らない環境をつくる

チャイム音を愛犬が嫌がるなら、なるべく鳴らさないことが効果的です。光るタイプのチャイムに交換したり、携帯電話へ転送する機能や、置き配を利用してもよいでしょう。

イラスト/船越谷 香

愛犬が逃げこめるセーフティゾーンを確保する

クレートなど、愛犬が安心して過ごせる場所があれば、キライな音が鳴ったときも逃げこめます。音がするだけで嫌なことが起きないとわかれば、苦手意識も薄まっていくはず。

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「人ストレス」「音ストレス」への対策をご紹介しました。ストレスは完全に取り除くのは難しいですが、少しでも愛犬の苦手意識が薄くなるよう、飼い主さんが工夫してあげたいですね。

お話を伺った先生/獣医師。博士(獣医学)。東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授 増田宏司先生
参考/「いぬのきもち」2021年5月号『スキ・キライがわかれば愛犬はストレスフリーになる!』
イラスト/船越谷 香
文/いぬのきもち編集室

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