給与明細「見ないで捨てる」はNG。もらったら「確認」と「保管」が必要な理由

株式会社スガワラくんが実施した「給与明細についてのアンケート調査」によると、25歳未満の会社員の半数以上が、給与明細について理解できていないことがわかりました。

特に、社会保険料の仕組みや手当に関する税制について知らない人が多いようです。

この記事では、給与明細や社会保険料の仕組みについて解説します。

給与明細を必ず確認する人は6割

株式会社スガワラくんが、18歳以上25歳未満の会社員1,000人を対象に、「給与明細についてのアンケート調査」を実施しました。

出典:脱・税理士スガワラくん 調べ 「給与明細についてのアンケート調査」(以下同)

給与支払い時に給与明細を確認するかについては、「必ず確認する」(62.9%)が最も多く、「時々確認する」(20.3%)、「あまり確認しない」(11.2%)と続きました。

自分の給与明細を理解しているかについては、「なんとなく理解している」(51.5%)が最も多く、「理解している」(40.4%)、「理解していない」(8.2%)と続きました。

自分の給与明細について正確に理解している人は、半数以下という結果でした。

給与について知っていることについては、「手取りと額面の違い」(64.9%)が最も多く、「社会保険料、所得税、住民税は給与の総支給額から天引きされる」(60.1%)、「賞与にも社会保険料と所得税がかかる」(46.8%)と続きました。

特に、社会保険料の仕組みや手当に関する税制について、知っている人が少ない結果となっています。

給与明細に記載されている社会保険料とは?

実際に受け取れる「手取り」は、「額面」から税金(所得税、住民税)や社会保険料などが天引きされて決まります。

したがって、自分の手取り金額を把握するためには、税金や社会保険料の仕組みを理解しておく必要があります。

ここでは、給与から天引きされる「社会保険料」について解説します。

社会保険料とは、年金、医療、介護の3分野からなる「社会保険制度」を受けるために支払う費用です。

給与明細に記載されている社会保険料は、主に以下の4つです。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険
  • 介護保険(40歳から加入)

上記の中でも最低限知っておきたいのが、健康保険と厚生年金の算出方法です。

健康保険と厚生年金の金額の計算には、「標準報酬月額」が用いられます。

標準報酬月額とは、4月から6月までの月収(基本給や手当などを含める)の平均値のようなものです。

標準報酬月額別に、以下の表に当てはめて健康保険料や厚生年金が算出されます。

出典:全国健康保険協会 「令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)」

例えば年齢30歳、月収が29万円から31万円の場合、標準報酬月額は30万円、健康保険料は1万4970円、厚生年金は2万7450円となります。

社会保険料と聞くと、難しく感じる人もいるかもしれませんが、仕組みはシンプルです。

給与明細の項目をしっかりと理解して、毎月何に、どれくらい支払っているのかを確認してみてください。

給与明細は最低限「確認」と「保管」を

給与明細を受け取ったら、内容の確認をし、保管しておくことをおすすめします。

調査によると、「給与明細を必ず確認する」人は、約6割でした。

しかし、記載内容に誤りがある可能もあるため、給与明細は必ず確認するようにしましょう。

見方がわからない場合は、少なくとも、給与明細に記載されている「振込金額」と実際に口座に振り込まれた金額が合っているかどうかは、必ず確認するようにしましょう。

また将来的に、ローンの申請や確定申告をする際に、必要になる場合もあるため、給与明細は捨てずに保管しておくようにしましょう。

出典

  • 脱・税理士スガワラくん 調べ「給与明細についてのアンケート調査」
  • 全国健康保険協会 「令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)」

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