総選挙の前哨戦? 衆院内閣委、立民が委員長に異例の答弁要求 与党は警戒

国会議事堂(資料写真)

 8日の衆院内閣委員会で立憲民主党の中谷一馬氏(比例南関東)が自民党の星野剛士委員長(同)を「運営が非民主的だ」とただす場面があった。委員長に答弁を求めるのは異例。会期末解散の可能性がささやかれる中で揺さぶりをかけた「総選挙前哨戦」(野党議員)の様相に、与党は「挑発に乗らないようガードを固めないと」(自民国対幹部)と警戒感を強めている。

 中谷氏は著名人の写真を無断で使った偽広告をネットサービス基盤提供のプラットフォーマーが配信している問題を取り上げた。その中で半年前の同委で経済学者・成田悠輔氏をかたった偽広告を、委員会資料として「同氏了承済み」の上で配布しようとしたが「星野委員長が認めなかった」と指摘。「あの時に大きく取り上げていれば防げた被害もあったはずだ」と星野氏に見解を迫った。

 配布資料は開会前の各党理事の協議で決まる。突然、質問を向けられた星野氏だが「理事会での協議が整わなかったからだ」と委員長席から批判を突っぱねた。自民席から飛ぶ「言いがかりだ」との怒号を中谷氏が「やじはやめてください」と制するなど、委員会室はピリピリムードに包まれた。

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