MLB防御率トップの今永昇太「まだまだ未完成。自分のことをいいピッチャーだと思わないようにしている」

今永昇太 PHOTO:Getty Images

<2024年5月7日(火)(日本時間8日)MLB シカゴ・カブス 対 サンディエゴ・パドレス @リグリー・フィールド>

カブス・今永昇太投手(30)が7日(同8日)、本拠地リグリー・フィールドでのパドレス戦に今季7度目の先発登板。

ここまで6戦無傷の5勝0敗で、日本人3人目となる開幕6連勝を狙う今永だったがメジャー自己最多となる102球を投げ、7回まで無失点の無双ピッチングを披露するも、8回に2点本塁打を被弾。1-2とパドレスに逆転を許した場面で降板した。

7回0/3、102球、7安打、2失点、1本塁打、8奪三振。いまだメジャー無敗、防御率は1.08で両リーグトップをキープしている。

試合はカブスが3-2でサヨナラ勝ちを納めるも、今永に勝ち星はつかなかった。

■今永昇太 試合後コメント

ーー序盤調子が良くなかったが、振り返ると何が良かった?

ストレートをしっかりベルトから上に投げられましたし、そこが一番自分としては良かったかなと思います。

ーー6回のピンチを切り抜け、自身も観客も感情が出ていたが?

確実に試合のターニングポイントになる場面ではありましたし、あそこでマチャド選手とボガーツ選手っていう本当に強力な選手を迎えるっていうところで、三振取れたらいいなと思いながら投げていて、自分の思った通りにそれが実行できたので、安心しました。

ーー6回のピンチで三振を取り3万人以上のファンが歓声を送った。カブスと契約する時に思い描いていたこと?

いざ、ああいう歓声を聞くと、あのボガーツ選手をツーストライク追い込んだ時から拍手が始まって、またあの開幕戦のロッキーズの時の拍手とは違うような歓声があったので、本当にあの瞬間は幸せな瞬間でした。あと最近ちょっと寝起きが悪いので、あの歓声をアラームにしたらスッキリ起きれると思います(笑)

ーー以前インタビューで「自分はいいピッチャーではない。バッターも対策をしてくる」と言っていた。自分がいいピッチャーだと自信を持つのにどれくらい時間がかかる?

僕は自分のことをいいピッチャーだと思わないようにしています。それはなぜかと言うと、やっぱりそういう風に思うことによって、自分としては油断が生まれると思っているので。

自分はまだまだ未完成であって、これからこのチームと一緒に完成へと向かっていくんだという、そういう気持ちをずっと持ってますので、まだまだ長い時間かかると思います。

ーー自身が投げていると負けない?

そうですね。逆転されてしまいましたけども、チームが勝つチャンスが少しでもある中で、次のピッチャーに渡すっていうのが自分としては大事なので。逆転されて悔しい気持ちですけども、まだこういうチャンスが残された状態でバトンタッチ出来たので、良くはないですけど、勝てて良かったというところですね。

ーー7回95球投げ無失点。8回に行く前にベンチの中で監督と話しは?

特に何も言われない場合は、次のマウンドにも上がるので。特に何もなかったので、あの8回のマウンドにも上がるんだなという気持ちで準備してました。

こうやってマウンドに上がるという信頼を、この7試合で得られたっていうところが僕としては価値がありますし、監督からそういう信頼をもらえたんだという、そこは自信にしていいと思いますね。

ーー初めての8回102球、打者も四巡目。打たれたホームランは、どう分析する?

6回、7回、8回とずっと神経をすり減らしながら投げていたので。8回はすんなりはいかないだろうなと思いながら。先頭出してしまって、うまくゲッツーを取りたいなという中で、ああいうふうにうまく運ばれてしまった。あそこで何も起こさせないというか、淡々と簡単に2人アウト取ったとしたら、より一層の信頼感を得られたと思いますし、また当たり前のレベルを上げてもらえると思うので。そこが出来なかった悔しさはありますね。

ーーパドレスはいい打者が揃っていると話していて、今日ここまでできたのは自信に繋がる?

僕としてはまだ一度目なので(笑)。一度見た打者に対して一回目の分析をしっかりとここでもできたっていうところ、それは非常に自分としては、少しずつ歩みを進めてるかなとかっていう感じですね。

ーーダルビッシュ有投手が昨日の試合後に今永投手のことを本当にすごいと言っていた。改めダルビッシュという先輩はどういう存在?

もうメジャーで13年間やられてる大先輩なので、僕がここで生き抜くためには成功してきた方の足跡を辿ることが大事。ダルビッシュさんにはよく質問をしますし、迷ったらやはり真っ先に頭に思い浮かぶ先輩ではあるので。ダルビッシュさんの通ってきた道を、僕も歩めたらいいなっていう風には感じてますね。

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