[本日の一品]ゲーマーじゃないけど、ラピッドトリガーな東プレのゲーミングキーボードを買った

by 日沼 諭史

昨今のキーボードのトレンドは「メカニカルの次」に向かっている、らしい。より高い耐久性をもつとされる無接点方式のスイッチと、「ラピッドトリガー」と呼ばれる機能が流行りつつあるようだ。それら最新の技術がどういうものなのか、とりあえず押さえておかねばなるまいな! と思って、両方の要素を兼ね備えたキーボードを手に入れた。東プレの「REALFORCE GX1」である。

東プレ「REALFORCE GX1」

東プレの「REALFORCE」シリーズは、以前から静電容量無接点方式のスイッチをキーボード製品に採用してきたメーカーだ。それ以外では、PFUのHHKBシリーズも同じスイッチを採用していることで知られ、他にキーボード業界のニューカマーとして無接点磁気検知方式の東海理化製ZENAIM KEYBOARDもある。

が、PFUはラピッドトリガー対応製品をまだ出していない。国産でラピッドトリガー(と同等の機能)に対応する製品はREALFORCEとZENAIMのどちらかになるわけだけれど、実績やサポート、お値段なども考えて「REALFORCE GX1」(日本語、押下圧45g)を選択した。

GX1は、ラピッドトリガーという言い方こそしていないが、それと同等の機能を備えている。まず、キーを押下し始めて、実際に「押された(オンになった)」と認識する高さ位置「アクチュエーションポイント」を0.1mm単位で変更可能。また、そこからキーを戻したときに「離れた(オフになった)」と認識する位置と、さらにそこから再び押し込んで「押された」と認識する位置の2つの設定値もカスタマイズできる。

REALFORCEの専用ユーティリティ

一般的なキーボードだと、たとえばキーを押し込み始めてオンになったと認識されるまでの距離が長いために、素早いキー操作が必要な場面で反応がわずかに遅れてしまいかねない。反対にキーを離すときも、同じようにオフになるまでの距離が長い場合、やはり反応が遅れる可能性がある。それらの距離を最短にできれば、操作が反映される時間も最短になるので、一瞬の判断が勝敗を分けるオンライン対戦ゲームなどで有利になるはずだ。

ということで、そうしたキーのオンオフ位置をきめ細かく調整して素早い反応を実現する「ラピッドトリガー」という機能が、主にゲーミング界隈で話題になってきている。GX1では専用ユーティリティを使うことで、アクチュエーションポイントやラピッドトリガー的な調整をキー1つ1つ個別に反映させられるようになっているのだ。

設定した内容は16パターンまでプロファイル的に保存しておいて、いつでも切り替え可能。ゲームで遊ぶ時と業務(長文テキスト入力)時とで、それぞれで最適な設定パターンで使えるようにしておけば、常にベストなキー操作ができるようになるだろう。

0.1mm単位でアクチュエーションポイントなどのポジションを調整できる
実際にキーを押すことで、設定画面右下にあるゲージで動作確認できる
0.1mm押し下げただけでオンになるようにした状態

で、実際、静電容量無接点方式スイッチかつラピッドトリガーなキーボードの使い勝手はどうなのか。正直に言うと、あまりゲームをプレーしない筆者にとっては、少なくともラピッドトリガーの恩恵を感じられる場面は今のところまだない。

いろいろ設定値を変えてみたりもしたけれど、1文字打つときに「キーを完全に押し込んで、完全に離す」というタイプの仕方が身体に染みついているので、これを“矯正”しないことには効果が得られない気がする。サラッとキーの表面だけをタッチするようなタイプ方法が求められるだろう。

ただ、オンライン対戦ゲームのフォートナイトを少しプレーしたところでは、2回戦って2回ともビクロイをゲットした(最後まで勝ち抜いた)。まあ、これはたまたまなんだろうけれども、最小限の指先動作でキャラを動かせるようになっているはずなので、逃げるときに生き残る確率は0.1%くらいは上がってるんじゃないかな、なんて思う。

キータイプのフィーリングとしては、押下圧が45gではあるものの軽快で、キーの端を押したときでも真っ直ぐ押下できるようになった実感がある。静音性も高く、メカニカルキーボードの静音赤軸(ピンク軸)よりノイズが少なく思えるほど。周囲にタイプ音を響かせたくないテレワーク環境にもぴったりなキーボードだ。

専用ユーティリティではキーマップも変更可。画面下のリストからドラッグして、画面上の設定したいキーにドロップする
ゲーミングキーボードらしくライティングの設定も可能
ギラギラさせてみた。もちろん完全に消灯させて渋い雰囲気で使うこともできる

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