【広島】快勝が打線奮起のきっかけとなるか 右打者全員で28打点は燕オスナと〝ほぼ互角〟

3回、1号ソロを放った広島・中村健(左)

価値ある連勝となった。広島は8日の阪神戦(甲子園)に3―1で競り勝ち、勝率5割復帰を果たした。

相手先発は昨季公式戦で6敗を喫した天敵・大竹耕太郎(28)。そんな苦手左腕に対し、新井貴浩監督(47)が期待を込めて送り込んだ右打者2人が、値千金の働きを披露した。まずは3回に3年目の中村健人外野手(27)が「浮いたところをがむしゃらについていった」と大竹のチェンジアップを左翼席に運ぶ、今季1号ソロで先制。終盤8回には2―1と勝ち越し後、この日昇格した末包昇大外野手(27)も「今シーズン、いい始まりができた」と虎の3番手・ゲラから試合を決める3点目の左前適時打を放って突き放した。試合後の指揮官は「みんないいものを見せてくれて、すごくいい1日だった」とニンマリだ。

右打者2人の奮起は新井監督も、かねて待ち望んでいた。試合前の時点でチーム総得点数はリーグ最低の78。開幕から深刻な貧打が懸案事項となっている中、特に「右」のポイントゲッター不足解消は急務だった。

試合前までのチーム全74打点のうち、右打者の打点はわずか26。これまで右打者が稼ぎ出した打点は、ベテラン・菊池の10打点が最高点をたたき出しているとはいえ、以下は会沢(6)、堂林(5)、上本(2)、レイノルズ(1)、二俣(1)、石原(1)とわずか7人。現在は上本、レイノルズが故障で一軍に不在となっており「打点を稼ぐ右打者」はノドから手が出るほど欲しい存在だった。

ちなみにセ打点部門で上位3人は8日の全試合終了時点で25打点のヤクルト・オスナを筆頭に中日・細川(23打点)、ヤクルト・サンタナ(21打点)といずれも右打者だ。広島はチームの右打者全員で28打点となっており、オスナ1人の打点を何とか3打点上回っている。今後も一層の奮起を新井監督も期待しているはずだ。

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