名前が似ていて違いが覚えられない「マホ◯◯」…『ドラクエ』シリーズの「補助呪文」どう使った?

ファミコンソフト『ドラゴンクエスト1』(ふたまん+編集部撮影)

『ドラゴンクエスト』シリーズには、“マホ”と付く呪文が多く存在する。有名なのは初代から登場している「マホトーン」だろう。呪文を封じ込めるので、敵に使われたらやっかいだった。ほかにも、呪文を跳ね返す「マホカンタ」、MPを奪う「マホトラ」なども、シリーズを通して頻繁に登場する。

しかし、この“マホ”が付く呪文のなかには、なかなか覚えられないものもある。ネーミングが似ているので、今一つ覚えづらいものだった。今回は、そんな覚えづらい「マホ◯◯」を紹介していこう。

■ヤンガスからMPをもらうというのも…使い勝手が今一つな「マホアゲル」

まずは、『ドラクエ8』に登場する「マホアゲル」だ。まさにネーミングの通りで、仲間にMPを分けてあげる呪文だ。

一種の救済処置になるのだが、実は使えるのがヤンガスというから驚きだった。だって、作中に登場するキャラのうち、MPとは最も無縁の男だったからだ。本作では“にんじょう”のスキルポイントが32も必要となる。ヤンガスといえば、やっぱり“オノスキル”を上げたいところだ。

MPの回復方法が何かと存在するので、ヤンガスは攻撃に専念したほうが間違いなく効果的だといえた。

■耐性がうまく付いているとなかなか上手く使えなかった「マホキテ」

『ドラクエ5』から登場したのが「マホキテ」だ。”魔法が来てほしい”みたいなネーミングの印象を受ける。

これは呪文を受けた場合にそのMPを吸収するという特性があり、「マホトラ」とちょっと似ている。ただ、「マホトラ」は消費MPがゼロで済むのだが、「マホキテ」はMPを2ポイント消費しないといけない。

しかも、呪文を直撃する必要があり、ダメージが付きものだ。もし防具で耐性が付いていたら呪文のダメージを受けないので意味がないし、ならば味方の「ベホマ」を吸収してやろうと思うものの、なんと味方からは吸収できない特性があった。

少なくともMP3ポイント以上の攻撃呪文を食らわないと有効ではないので、短期決戦には向いていない。どちらかというとボス戦で使えたが、「いてつくはどう」を食らったら効果が切れてしまうので、これを仕掛けてくる後半のボスキャラにはあまり効果がないものだった。

■呪文を遮断するが使い道は長期戦だった「マホステ」

『ドラクエ4』から登場したのが「マホステ」だ。呪文の効果をいっさい受け付けなくなるので、相手からすると呪文を遮断されたことになる。“魔法を捨てる”ではなく、“魔法の効果を切り捨てる”というイメージといえるだろう。

消費MPは2ポイントと多くないが、かけた相手への呪文が無効になってしまう特性がある。これによって「イオナズン」や「ベギラゴン」といった強力な呪文もダメージを受けない。

ただし、ホイミ系やスクルト系の回復・補助呪文も受け付けなくなるので、注意が必要。回復必至となりそうなボス戦では、ほとんど使えなかった。

呪文を跳ね返す「マホカンタ」と似ている部分もあるのだが、「マホカンタ」状態で攻撃呪文を仕掛けた相手も「マホカンタ」状態だった場合、跳ね返されたダメージは受けてしまう。しかも、跳ね返された呪文は「マホカンタ」で相殺することができない。

しかし、「マホステ」は跳ね返されても無効にできる強みがある。しかも、ファミコン版『ドラクエ4』では仲間への命令ができないので、「マホカンタ」を使えるのはAIのブライ頼み。その点、「マホステ」は勇者が使えるので自由に仕掛けることが可能だった。

呪文攻撃がメインでHPも高い敵キャラかつ、長期戦になりそうな場合は効果的といえるだろう。

■マホカンタとどう違うのか理解せずに使わなかった「マホターン」

『ドラクエ6』で登場した呪文で、中ボスのミラルゴとの戦いでよく見かけたのが「マホターン」だ。ネーミング通り、“魔法をターン”することが可能。いってみれば「マホカンタ」のように呪文を跳ね返すのだが、『ドラクエ6』では一度呪文を受けさえすれば解除できる。

「マホカンタ」と違って解除することで、回復呪文を受け付けることが可能だ。ローテーションで攻撃を仕掛けてくるボス戦に効果を発揮しやすかった。

1ターン目や2ターン目に強力な攻撃呪文を仕掛けるボスの場合、前もって「マホターン」をかけておけば、その呪文を跳ね返すことができる。

とはいえ、ランダム行動のボスやザコキャラとの戦いでは使い勝手が難しい。行動の順番によって「マホターン」をかける前に攻撃呪文を食らう場合もあれば、先にスクルトやホイミをかけようとして、逆に「マホターン」のほうが早かったということもあり得るからだ。

本作をプレイしているときは魔法戦士に転職しないといけないし、使う機会はなかなかなかった。伝説の防具でもある「スフィーダのたて」を使用しても発動するのだが、最初は「マホカンタ」と思ってしまったので違いが分からなかったものだ。

ちなみに「マホカンタ」は“かがやくひかりのかべ”で、「マホターン」は“うすいひかりのかべ”という演出だった。戦闘中のメッセージを速くしていると、この違いに気付かないかもしれない。

さて、いろいろ登場する“マホ◯◯”の呪文たちだが、筆者も「マホトーン」や「マホカンタ」でさえ、ほとんど使っていなかった覚えがある。こんなにあるのなら、一度全部使ってみようかと思ってしまう。

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