ムキムキの体…30kg増量も!? カメレオン俳優・鈴木亮平が演じた漫画やアニメの実写化キャラ3選

Netflix『シティーハンター』(C)北条司/コアミックス 1985

2024年4月よりNetflixにて名作漫画『シティーハンター』の実写版ドラマが放送され、主演である鈴木亮平さんの演技力、再現度の高さが大きな話題を呼んでいる。鈴木さんは本作以外にも数々の実写化作品に登場しており、ヒットの立役者としても有名だ。鈴木さんによって命を吹き込まれた、実写版のキャラクターたちについて見ていこう。

■どこからどう見ても“変態”なのに…肉体美にくぎ付け!『HK 変態仮面』色丞狂介

鈴木さんといえば、徹底的な“役作り”をすることで知られている。演じるキャラクターに合わせた肉体改造のエピソードも数多く披露しているが、2013年に公開された映画『HK 変態仮面』は、そんな彼の作り上げた肉体美が存分に発揮された作品だ。

漫画家・あんど慶周さんが手掛けた『究極!!変態仮面』を原作とした実写版映画である本作で、鈴木さんは本作の“顔”とも呼べる存在、“変態仮面”こと色丞狂介を演じている。

心優しきヒーロー……なのだが、一方でその出で立ちはまさに“変態”そのもの! パンティによって覆面のように顔を隠し、スリングショットと網タイツを着用した姿は一度見たら忘れられない強烈なインパクトを与えてくれる。

そんな際どいにも程がある変態仮面のビジュアルを、鈴木さんは徹底した“役作り”によって完全再現していた。

変態仮面を演じるにあたって、彼はその洗練された“肉体美”に着目したという。なんとあえて15kg増量し、そこからトレーニングによって徹底的に脂肪を削ぎ落すことで、変態仮面特有の筋肉を表現した。しかもこれをトレーナーもつけず、1年間ものあいだボディビルダーの本を参考に独学でやりきってしまったというのだから驚いてしまう。

持ち前のストイックさで作り上げられた完璧な肉体美、そして、数々のアイテムを身に纏ったその姿はまさしく“変態仮面”そのもの。再現度の高さはもちろん、洗練された彼のボディに観客は度肝を抜かれることとなった。

もちろん、これ以外にも原作のポージングを研究したり、自らスタントに臨んだりと随所で役作りのための努力を怠らない姿勢はさすがのひと言である。鈴木さんの持つ“役者魂”が存分に発揮された、なんとも意外なキャラクターだといえるだろう。

■大きな体にピュアなハート、恋に悩むまっすぐな高校生…『俺物語!!』剛田猛男

鈴木さんの圧倒的な“肉体改造エピソード”はこれだけにとどまらない。2015年に公開された『俺物語!!』でも、原作再現のために圧巻の肉体改造を披露していた。

本作は原作担当の河原和音さんと作画担当のアルコさんのタッグが手掛けた同名漫画を原作とした実写版映画で、イカつい見た目だがまっすぐで不器用な大男・剛田猛男の恋模様を描いたラブコメディだ。

本作において鈴木さんは主人公・剛田猛男を演じることとなったのだが、原作での猛男は15歳の高校生でありながら身長2m、体重推定120kgという凄まじい“巨漢”として描かれていた。ファンのあいだではこの“猛男像”をいかに再現するのかと、不安視する声もあったようだ。

しかしここでも鈴木さんは徹底的な肉体改造を敢行。今回はなんと体重を30kgも増量することで、原作同様のマッチョな肉体を作り上げたのである。

また、撮影当時鈴木さんは32歳で、彼が演じる猛男とはかなりの年齢差があったのだが、持ち前の高い演技力で“ピュア”な一面を存分に表現。慣れない恋に向けて突き進む一途な男子学生の姿を再現してみせた。

角刈りに太い眉毛、そしてゴツい体はまさに原作の猛男そのもの。眉間にシワを寄せればイカつさで周囲を震え上がらせ、そうかと思えば柔らかな笑顔で場を和ませたりと、猛男の持つ熱さや実直さ、根の優しさを見事に表現していた。

徹底した体作りもさることながら、歳が離れた学生独特の感情や表情、立ち振る舞いを難なく演じ切って見せる点に、彼の役者としての高い実力をあらためて感じざるをえない。

■声質まで徹底して完全再現! ファンが愛する“とっつぁん”『銭形警部』銭形幸一

『ルパン三世』といえば、漫画家のモンキー・パンチさんが世に送り出した怪盗漫画の傑作だが、2017年にはルパンの宿敵である銭形警部を主人公にした実写ドラマ『銭形警部』が、huluで配信されることとなった。本作において鈴木さんは、タイトルにもなっている銭形警部こと銭形幸一を演じている。

シリーズのファンからは“とっつぁん”の愛称で親しまれている銭形警部だが、多くの人々に愛されているキャラクターを演じるとあって、さすがの鈴木さんでもそのプレッシャーは非常に大きかったという。

しかし、ここでも鈴木さんは持ち前の徹底した“役作り”で、ファンが愛する“銭形のとっつぁん”を三次元の世界で表現してみせた。

ベージュのトレンチコートにソフト帽といった服装はもちろん、銭形警部独特の“ガニ股歩き”といった外的な特徴をまずは原作からキャッチアップし、細かな動作を徹底することで銭形警部を自身に“憑依”させていた。

これに加えて、鈴木さんは銭形警部独特の“声”にも着目。これまで納谷悟朗さん、山寺宏一さんといった名声優たちが演じた“ダミ声”を徹底研究し、アニメ通りの声に近付けることでよりクオリティの高い銭形警部の姿を目指している。

これらの努力の結果、活劇のなかの存在であった銭形警部を、見事にスクリーン上に再現することに成功したのだ。

原作では宿敵・ルパンに一杯食わされるシーンも多い銭形警部だが、ドラマでは彼の鋭い洞察力や推理能力、刑事としての熱意が存分に発揮された、無骨ながらもどこかカッコいい銭形警部像が表現されている。

原作のファンが抱いたキャラクターイメージを大切にする、鈴木さんならではのエピソードだろう。

徹底した“役作り”によってキャラクターを自身に憑依させ、原作ファンも納得の高いクオリティを生み出し続けている鈴木亮平さん。まさに実写化作品成功の立役者ともいえるその活躍に、これからも目が離せない。

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