御祭神と縁、石造りの大ナマズが手水口 福島・鹿島神社

大ナマズの口元から水が出る手水口

 福島市小田にある鹿島神社に、新たな手水舎(てみずや)が完成した。元々は井戸水を使っていたが、相次ぐ地震に伴う水脈の変化によって渇水状態になったことから手水舎を一新。同市の水道水を使って人感センサーも取り付け、御祭神と縁のある大ナマズの口元から水が出る仕組みにした。

 6日、同神社で手水舎の改修奉告祭と流水式が行われ、工事に携わった業者ら約30人が新しい手水舎の始まりを見届けた。

 手水舎建設のきっかけになったのは、本県沖を震源とする2度の地震だった。地震の影響で徐々に井戸水の水量が減り、渇水状態になったため、1年半ほど前から手水舎を新設する話が進み、工事を始めた。

 同社に残っている御祭神「武甕槌大神(たけみかづちおおかみ)」の古画には、日本の大地を大ナマズに見立て、武甕槌大神が神剣でナマズを押さえる姿によって神威が表現されている。こうした縁があることから、手水口には石造りの大ナマズが置かれ、口元から水が流れる様式を取り入れた。

 手水は柄杓(ひしゃく)を使うのが一般的だが、水道水を使うため、人感センサーによって節水にも役立てる。

 丹治政文宮司は「多くの方からご協賛をいただき長年の夢が実現した。たくさんの人にお参りしてほしい」と話した。

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