星さん 日中友好の書展 蘇さんと北京で開幕

開幕を祝い、テープカットに参加する星弘道さん(中央)、蘇士澍さんら=北京市内

日本芸術院会員で茨城書道美術振興会名誉顧問の星弘道さんと、中国を代表する書家、蘇士澍さんの2人展「翰墨伝薪(かんぼくでんしん) 日中書法芸術交流展」が8日、中国・北京で開幕した。2人の代表作約80点が展示され、強靱(きょうじん)、豊潤、流麗など、さまざまな筆致の大作が並ぶ。国の書壇を代表する作家同士の2人展は珍しく、中国政府関係者も開幕式典に出席し、日中友好に大きく寄与するとして期待を寄せた。

星さんは全日本書道連盟名誉顧問、日本書作院理事長などを務める。中国書法家協会名誉主席の蘇さんとは、これまで書を通じて親交を深めてきた。

作品展は日本書作院と、ギャラリーなどを運営する国営企業の栄宝斎が主催。中国ではコロナ禍以降初の大規模な書展となった。2025年2月には蘇さんを日本に招き、交流展を東京の国立新美術館でも開催することが決まっている。

開幕式典には中国政府や文化芸術団体の代表者らが出席し「日中の文化交流や友好の新たな一ページを」と期待を寄せた。茨城県からは茨城書道美術振興会の吉澤石琥、山内香鶴の両副理事長をはじめ関係者約50人が駆け付けた。

星さんは「書の原点である中国の良き文化を吸収し、積極的に取り入れ、今後の糧としたい」とあいさつ。蘇さんは「両国の文化交流の継承は非常に重要」とし、「開催できたことに心から感謝する」と述べた。

開幕前日の7日には、星さん、蘇さんが栄宝斎ギャラリーの展示会場を内覧。互いの作品の前で足を止め、感想を述べるなどして交流を深めた。会期は14日まで。

式典後に握手を交わす星弘道さん(右)と蘇士澍さん=北京市内

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