五島移住「富江宿」がお手伝い 短期滞在向け施設 起業家・高橋さん開業 

「移住希望者と先輩移住者との交流の場も提供していきたい」と話す高橋さん=五島市富江町、富江宿

 五島市移住の拠点に-。2018年に長崎県五島市富江町に移住した起業家、高橋大樹さん(39)が、移住希望者向けの短期滞在型宿泊施設「富江宿」を同町に開業した。「移住」をコンセプトに週単位で滞在できる民間施設は市内で初めて。高橋さんは「人口減少が加速する島の活性化の一助になれば」と願いを込める。

 市地域協働課によると、市には1カ月以上、3カ月未満で利用できる公営の滞在型住宅があるが、人気が高く順番待ちでなかなか利用ができないのが実情。近年、市内への移住者は増加傾向にある一方で、移住に先立ち島の暮らしが体験できる滞在型宿泊施設が不足している。
 高橋さんは自らの経験を基に「移住希望者の受け皿になれば」と、国の雇用機会拡充事業を活用。週単位で利用できる利便性の高い滞在型宿泊施設を開設することにした。
 同町の3階建て中古物件を賃借し、一部の部屋を改修。計4室(シングル2部屋、キッチン付きのツイン2部屋)で家具やエアコンなど家電完備。風呂、トイレ、シャワーは共同で利用する。素泊まり1泊1人6600円、1週間1人3万3千円。シングルのキッチンは供用。
 徒歩圏内に商店街があり、買い物をして料理をしたり、住民と交流したりしながら“プチ移住”を経験できる。高橋さんは市商工会青年部富江支部長を務め、消防団、地元のまつり実行委のメンバー。培ったネットワークを生かし、空き家や就業につながる情報も提供し、地元住民との交流イベントを計画中だ。
 高橋さんは「過疎化が進む島の活性化に貢献したい。移住希望者と島民の交流拠点として育てていきたい」と話した。
 問い合わせは富江宿(電090.4361.7008)。

キッチンや家電、家具も完備したツインルーム

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