衰えに抗うソフトバンク柳田悠岐は「超人兄弟の一人」 糸井嘉男氏が選ぶ3・4月度パ・リーグMVP

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【投手部門】今井達也(西武)

SPAIA公式シニアアンバサダーの糸井嘉男氏が独自に月間MVPを選ぶ恒例企画。投手から野手に転向し、通算1755安打を放った糸井SAが、「超人」ならではの視点で3・4月度のパ・リーグ投手、野手を1人ずつ選出した。

パ・リーグの投手部門は西武の今井達也。3・4月は5試合に登板して2勝0敗、防御率はリーグトップの0.77をマークした。昨季自身初の2桁となる10勝を挙げた8年目右腕が、さらにスケールアップしている。

「一皮も二皮も剥けましたね。ストレートの威力は増してるし、変化球もエグいから奪三振率も10.29と高いです。投球回もリーグ3位の35イニングを投げている上、防御率も凄いですね」と解説。「パ・リーグ、いや、日本を代表するエグい投手になりました。元々ポテンシャルは高い投手でしたが、もっと勝ち星が増えてもおかしくないです」と最大級の賛辞を送った。

飛躍の要因については「オフにトレーニングをしっかりやったなと感じさせる体つきになってますね」と「超人」と呼ばれた糸井氏らしい視点。西武は髙橋光成、平良海馬、隅田知一郎らハイレベルな先発陣がしのぎを削っている。

「先発陣の投手力は素晴らしい。今年の投球を見ていると、今井投手も最多勝などタイトル争いに絡んでくると感じます」と糸井氏は今井のタイトル奪取の可能性に言及した。

【打者部門】柳田悠岐(ソフトバンク)

パ・リーグの打者部門はソフトバンクの柳田悠岐。3・4月は打率.323(リーグ1位)、3本塁打(同5位タイ)、22打点(同2位)と主軸として文句のない成績で山川穂高、近藤健介とともに打線を牽引している。

糸井氏は「36歳になる年ですが、衰え知らずでヒットを量産してますね。若い頃から知っているので、首位打者を獲ってほしいです。サヨナラ3ランを見て鳥肌が立ちました」と4月29日の楽天戦で放った逆転サヨナラ3ランを我が事のように喜んだ。

現役時代の糸井氏と同じ俊足強打の左打ち野手と共通点は多く、一緒に自主トレもした仲。若い頃に比べるとトレーニングへの姿勢も年々変化していったという。

「最初からトレーニングへの意識が高かったわけでありませんが、必要だと感じたらやるようになりました。今は自主トレでも一番走っているし、本当に若手の良い手本です」と証言。「人間は衰える。それに抗ってるのは、やっぱり超人ですね。超人兄弟の一人ですよ」と“元祖超人”はお墨付きを与えた。

チームは開幕ダッシュに成功。4年ぶりのリーグ制覇へ好スタートを切った。中心選手として優勝への渇望も人一倍だろう。

糸井氏は「チームへの思いも熱い選手ですからね。話していても勝ちたいという熱い思いを感じます。36歳になるシーズンでどれだけの成績を残すか、今後が見ものですね」と“弟分”の活躍に期待を隠せない様子だった。



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