Number_i、サントリー新CMと新しい地図とのリンク 新たな文化と自由の追求――旧ジャニには厳格姿勢も

岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太(Number_i) (C)ピンズバNEWS

5月9日、サントリーがNumber_iの平野紫耀(27)、岸優太(28)、神宮寺勇太(26)を起用した『ビアボール』の新テレビCM「なんでもありだ!カンパイだ!」篇(4月11日~)が、WEBで先行公開された。グループ初のCMタイアップ楽曲『No-Yes』(5月27日発売のミニアルバムに収録)の一部もCM内で公開され、話題沸騰となっている。

ビアボールは、好きな炭酸水で割って楽しむ、新たなビールのこと。CMは神宮寺の「最高の仲間と」というナレーションをバックに、神宮寺が自らと平野、岸の3人分のビアボールをグラスに注ぐシーンから始まる。3人が「ビアボー!」の掛け声で盛大に乾杯してから海へ走っていき、岸の「最高の時間と」というナレーションをバックに、ビーチでバーベキューをしながら、「ビアボー!」の掛け声で再び乾杯。

そして平野の「自由な1杯を」というナレーションをバックに、好みの炭酸飲料で割った「ビアボール」を楽しむ3人の姿――という内容だ。

「サントリーは、2月10日からテレビCMが放送されている『翠ジンソーダ』の広告でも平野さんを起用していますよね。

平野さん、岸さん、神宮寺さんは23年5月にKing&Princeを脱退して、ジャニーズ事務所からも退所(岸のみ9月末退所)。同年7月に現事務所のTOBEに移籍(※岸は10月に合流)しましたが、平野さんの移籍後初テレビCMは、サントリーの『翠ジンソーダ』だった。今回のビアボールCMで、それを思い出す声もありますね」(女性誌編集者)

X(旧ツイッター)には、

《翠ジンといいビアボールといいサントリーさんにはほんとに感謝だよ》
《紫耀くんの翠ジンソーダでのご縁でまたサントリーさんとのご縁が繋がって次はグループでのCM》

といった、サントリーへの思いを語る声が多く寄せられている。

そんなサントリーは、Number_iと同じ“辞めジャニ”――元SMAPの香取慎吾(47)、草なぎ剛(49)、稲垣吾郎(50/全員17年9月退所)の新しい地図を、事務所退所後初めてCMに起用した企業でもあるため、

《いつも私の推したち(Number_iさん、地図さん)に優しく手を差し伸べてくださいます ありがとうございます》
《サントリー さんは新しい地図の3人も起用してくれてSMAPファンの私には本当にありがたい会社です》

といった声もある。

芸能プロ関係者は話す。

「サントリーが、稲垣さんと香取さんを『オールフリー』の新CMに起用したのは、2018年2月(発表は17年11月)のことでした。それが2人にとって退所後初の新テレビCMでしたね。草なぎさんが起用されなかったのは、旧ジャニーズ時代からCMに出演し続けていた『アサヒグループ食品』がサントリーの競合相手だったからだと言われていて、アサヒのCM終了後からは、現在も3人でサントリーのCMに出演しています。

3人が旧ジャニーズを辞めてから、わずか2か月後の新CM発表だった。当時、サントリーが彼らを起用したことは、業界に大きな衝撃を与えましたよね」

■「新しい文化をつくりたい」という理念がNumber_iを選んだ

前出の芸能プロ関係者は続ける。

「新しい地図の3人がジャニーズ事務所を飛び出した2017年当時は、ジャニーズの創業者のジャニー喜多川氏(享年87)と姉の“メリー喜多川”こと藤島メリー泰子氏(享年93)が健在で、事務所は各方面に非常に強い影響力を持っていました。そのためさまざまな忖度が生じ、新しい地図の3人の起用をためらう企業も多かったと言われています。そんななかで大企業のサントリーが、いち早く彼らを起用して風穴を開けたことで、他企業もオファーしやすい空気になったと。

サントリーは非上場企業で、自社のポリシー、マインドをより重視している企業だと言われます。広告戦略についてもそうで、大手広告代理店の意向よりも自社の考えを重視した広告、CM制作を行なっているとされ、それも新しい地図を起用できた理由の1つだと考えられていますね。芸能界で強大なパワーを持つジャニーズ事務所どうこうなどは関係なく、純粋に新しい地図の3人に魅力があり、自社商品の宣伝を託せる価値があると判断して、起用したのでしょうね」

ジャニー氏とメリー氏がいなくなった旧ジャニーズ事務所は、23年9月にジャニー氏の加害を正式に認めたことで、信頼が失墜。その後、同事務所は消滅することとなった。

サントリーは同月、旧ジャニーズタレントが出演する広告について「契約終了次第、起用を取りやめる」と声明を出し、サントリーの代表取締役社長で経済同友会代表幹事でもある新浪剛史氏(65)はその翌月の10月、「納得のいく説明があるまでは新たな契約を結ばない」とあらためて厳格な姿勢を明らかにしていた。以降、新会社STARTO ENTERTAINMENT(24年4月10日~)の設立後も、サントリーはSTARTO社のタレントを広告キャラクターに起用していない。

今回、サントリーは、Number_iの3人を起用した理由として、《ビール類市場のさらなる活性化を目指し、新しい文化をつくりたい》という思いから、《アーティストとして新たな音楽シーンを切り開き、絶大な人気を誇る》Number_iを選んだ、と明らかにしている。

「ビアボールのコンセプト“自由な1杯”や“新しい文化をつくりたい”という理念からも感じ取れますが、サントリーは新しいことに挑戦したり、そのために何かに縛られることなく、自由に生きることを追求する企業とも言えそうです。以前からですが、忖度につき合うこともしませんよね。

だからこそ、そうした考えにリンクする新しい地図やNumber_iのような、挑戦をし続けているアーティスト、タレントを、積極的に広告キャラクターに起用するのかもしれませんね」(前同)

サントリーには、創業者である鳥井信治郎氏(1962年没)の口癖「やってみなはれ」というフロンティア精神がある。世界の舞台で輝けるアーティストを目指して日々邁進するNumber_iは、確かに、同社との相性はピッタリなのかもしれない――。

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