重慶市の自動車工業、1~3月の増加値23.7%増

重慶市の自動車工業、1~3月の増加値23・7%増

賽力斯汽車の両江新区スマート工場。(2022年6月27日撮影、重慶=新華社記者/王全超)

 【新華社重慶5月9日】中国自動車メーカーの賽力斯集団が重慶市両江新区に建設した自動車スーパー工場では、ロボットアームが休むことなく動き、資材を運んだロボットがひっきりなしに行き来している。工場の担当者によると、自動車組立工程の自動化率は一般的に30.0%未満とされるが、今年2月に稼働を開始したこのスーパー工場では50.0%を超え、現在はフル稼働の状態だという。 

 自動車メーカーの活発な生産活動は重慶の自動車工業の力強い原動力を映し出している。同市がこのほど発表した第1四半期(1~3月)の一定規模(主要業務の年間売上高2千万元、1元=約21円)以上の工業企業の増加値(付加価値額)は前年同期比8.6%増、うち自動車工業は23.7%増え、市の工業の比較的速い成長を支えた。自動車生産台数は10.1%増の59万9400台で、うち新エネルギー車(NEV)は2倍に増加した。 

 基幹産業は「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を発展させる「主陣地」と言える。全国の重要な自動車生産拠点である重慶はここ数年、世界レベルのインテリジェントコネクテッドビークル(ICV)・新エネ車産業クラスターの形成を目標に掲げ、自動車産業の新エネ化、スマート化、ハイエンド化への躍進を加速させている。 

 製品の競争力の源は科学技術イノベーションだ。自動車メーカーの重慶長安汽車の関係責任者は「売上高に占める研究開発費の割合が毎年5.0%以上になるようにしている。23年の研究開発費は90億元を超えた」と語る。研究開発従事者は約1万8千人に上り、23年の特許件数は5739件増加したと明かした。 

 市経済情報化委員会自動車工業処の王昭傑(おう・しょうけつ)副処長によると、重慶の自動車産業の23年の研究開発強度(研究開発費の対売上高比率)は2.5%で、全国平均を上回った。国家級産業技術基盤公共サービスプラットフォームは15社、国家級企業技術革新センターは6社、国家級技術革新モデル企業は51社を数える。23年の自動車生産台数は232万台で全国上位となり、輸出台数は約36万8千台だった。

 同委員会によると、重慶は自動運転およびコネクテッドカーの革新的応用を推進し、ソフトウエアと人工知能(AI)、自動車産業の深い融合を加速している。25年までに新エネ車のICV生産・販売台数が全国の10.0%以上を占めるようにする計画だ。 

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