日本のおせんべいは食べやすい? アメリカ在住外国人が6種を食べ比べ 高評価を得た米菓子とは

日本の米菓子に興味津々だった(左から)アメリカ在住カナダ人のアリッサと、シンガポール人のジョリン【写真:荒木優里】

日本には、多種多様のおいしいお菓子があります。夫の転勤でアメリカのフィラデルフィアへ移住し、現在はニューヨーク在住のフリーアナウンサー・荒木優里さんが、日本との違いをリポートするこの連載。今回は、現地に住む外国人女性2人に、6種類の米菓子を食べてもらいました。どれも日本人なら一度は食べたことある、なじみ深いお菓子です。いったい、どんな反応が返ってきたのでしょうか。

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ニューヨークでもソメイヨシノが咲き乱れる そして夏の訪れが…

私が住むニューヨークでも日本同様、4月上旬にソメイヨシノが各地で咲き誇り、待望の春の訪れを実感しました。街並みに木々や草花の彩りが加わると、とても晴れやかな気持ちになりますね。桜のシーズンが終わると、気温がぐんと高くなり、早くも夏を感じるような半袖1枚で過ごす日もありました。気持ち良く過ごせる春が、少しでも長く続いてほしいなあと願うばかりです。

さて、今回は「日本のお菓子に対する外国人の反応は? ~米菓子編~」です。前回に続き、アメリカ在住カナダ人のアリッサと、シンガポール人のジョリンに、日本では定番の米菓子を試食してもらいました。それぞれ10点満点で採点します。

ラインナップは「ソフトサラダ」「ぽたぽた焼」「雪の宿」「ハッピーターン」「柿の種」「揚一番」の6種類。日本を代表するお菓子であるおせんべいや米菓子は、ふたりの口に合うのでしょうか。感想が楽しみです。

1品目はサクサク塩味がおいしい「ソフトサラダ」

はじめに試食してもらったのは「ソフトサラダ」。網焼き製法で焼き上げた、ソフトな食感がする塩味のおせんべいです。

アリッサは「ソフトな食感が好き。カナダは寒いから塩味が必要なの。このおせんべいもしょっぱすぎるとは思わないわ」と、シンプルな塩味が好みに合ったようです。ジョリンは「軽くて油っぽくなくて、プレーンな味わいだね。なんだか、エビせんべいみたい!」と、ふたりとも好印象な様子。

アリッサは9点と1品目から高得点、ジョリンは7点をつけました。今後の評価にも期待が高まる滑り出しです。

初めて食べるお菓子も多いなか、日本人とは異なる反応も【写真:荒木優里】

2品目は甘じょっぱさが特徴の「ぽたぽた焼」

続いては、日本では砂糖じょうゆミツが子どもから大人まで大人気の「ぽたぽた焼」です。「おばあちゃんのイラストがかわいいね!」と、パッケージのデザインをじっくりと確認してから、いざ試食です。

アリッサは「甘いテイストがあまり好みではないなあ」と渋めの評価。「なんだか、照り焼きソースみたい」と、日本独特の甘じょっぱさがいまいちだったようです。一方のジョリンは、「さっきのソフトサラダに比べると、硬めでおいしい! 食感も味も、私はこっちのほうが好きだな!」と好反応でした。

アリッサは1品目よりも低い6点、一方のジョリンは1品目よりも高い7.5点をつけ、評価が分かれました。

3品目はほんのり甘いミルククリームがかかった「雪の宿」

次は、おせんべいの表面にほんのり甘いミルククリームがトッピングされた「雪の宿」。ジョリンは、食べたことはないものの商品を知っていたそうで、「どんな味か気になる!」と興味津々。

アリッサは「エアリーな感じがポップコーンみたい。甘さとしょっぱさの両方を感じられるね。夜にテレビを観ながらつまむのにいいかも!」と気に入ったようです。ジョリンは、ひとくち食べてすぐに「これは好き! おいしい!」と大絶賛。「軽い食べやすさで、甘すぎなくてちょうどいい。破片がこぼれにくい感じもするし、年齢関係なく楽しめるね」と評価しました。

ふたりの反応通り、アリッサは8.5点、ジョリンはなんと10点! 3品目で満点が飛び出しました。

「ハッピーターン」を食べ、意外な反応を見せたふたり【写真:荒木優里】

4品目は「ハッピーターン」 日本では“ハッピーパウダー”が人気もアメリカでは…

次は、甘じょっぱい秘密の“ハッピーパウダー”がやみつきになると評判の「ハッピーターン」です。ふたりとも見てすぐに「パッケージがかわいい!」と、掴みはバッチリ。

ひとくちかじって、思わずむせてしまったのはアリッサ。「これはむせてしまうわ。パウダーの量が多いと思うし、塩味が強すぎる!」と、パウダーがまぶされたおせんべいに戸惑ったよう。パウダーがもっと多いバージョンもあると伝えると「信じられない!」ととても驚いていました。ジョリンは「最初に食べた『ソフトサラダ』に似ているね。チーズ味だったら、チートスみたいでよりおいしいかも!」と、この味わいもしっくりきていたようです。

気になる点数は、アリッサは7点、ジョリンは8点でした。

5品目はお酒のつまみにもなる「柿の種」

続いて、柿の種とピーナッツのバランスが人気の「柿の種」。日本では、ビールや焼酎のおつまみとしても好まれています。

アリッサは「バーで一度食べたことがあるけど、スパイシーでおいしいよね! もっと別のフレーバーがあってもいいと思う!」と、日本人と同じく、やはりお酒を飲むときに相性がいいと感じたようです。ジョリンは「甘くないから私の好みではないけど、個包装だから食べやすい。小袋に書かれているトリビアもおもしろいと思う!」と、味よりも小袋のデザインが気に入っていました。

アリッサは8点、ジョリンは6点というスコアに。ふたりの好みがはっきり分かれています。

ラストの6品目は唯一の揚げせんべい「揚一番」

最後は、今回のラインナップの中で唯一、油で揚げているおせんべい「揚一番」です。

ジョリンは、「うーん、硬くて、私にはしょっぱすぎる。油で揚げていないおせんべいのほうがいいなあ」と好みではなかったよう。一方、アリッサは「私はそんなに塩味は感じないなあ。クラッカーのように何か上にのせて食べるのもいいかも! ビールにも合いそうだね」と、しょっぱさの感じ方が異なるようでした。

「映画のおともにどうかな?」「いや、それはうるさいと思う!」と話しながらも、ザクザクと音が鳴る食感を楽しんでいました。

アリッサ、ジョリンともに7点。まずまずのスコアで、今回の試食は終了です。

なじみのない日本の米菓子 食べやすさが高評価に

これまでの得点を振り返ってみると、ベストスナックは、アリッサが「ソフトサラダ」、ジョリンが「雪の宿」という結果でした。

ふたりにとっては食べ慣れない米菓子の試食でしたが、予想以上に反応が良く、会話が弾みました。「それぞれにテイストが違ってどれもおいしく、点数をつけるのはとても難しかった」という感想ももらえてうれしかったです。

また、今回試食した商品のすべてが小さく、個包装になっていたことにも注目。オーバーパッケージと思えるものもあったようですが、どのお菓子もその食べやすさに感心しきり。前回のスティック菓子と同じく、クリーンに食べられる日本のお菓子の特徴を再認識できました。

※今回試食したお菓子はすべてアメリカ国内で販売されているもので、製造国が日本販売のお菓子と異なる場合があります。

荒木 優里(あらき・ゆり)
米ニューヨーク州在住のフリーアナウンサー。慶應義塾大学を卒業後、KSB瀬戸内海放送、テレビ埼玉で局アナとして勤務し、報道番組のキャスターや情報番組の中継リポーターなどを担当。2022年夏に渡米し、現在は初めて体験する海外生活での奮闘ぶりを日々発信中。

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