前回大会はギックリ腰で断念 武藤俊憲が思い出のコースで「もっと粘らないと」

2年前の無念を胸に(撮影/大澤進二)

◇国内男子◇For The Players By The Players 初日(9日)◇THE CLUB golf village(群馬)◇7172yd(パー71)

第1回大会が行われた2022年、開幕2日前の悔しさはいまでも覚えている。武藤俊憲は地元・群馬で14年ぶりに試合が行われるというのに、ギックリ腰で出られなかった。

前週の「バンテリン東海クラシック」を第2ラウンドスタート前に棄権し、早めに群馬入りして治療したが、火曜の練習で7Iを打った瞬間「ダメだ、振れない」と諦めた。同郷の小林伸太郎の初優勝を祝いつつ、地元の試合は2年後までお預けに…。ことしは5バーディ、2ボギー「8pt」の29位で滑り出した。

高校時代、バッグを担いで回った思い出のコース(撮影/大澤進二)

「思い入れのあるコース。地元でやってもらえるのはうれしい」。本コースは旧「THE RAYSUM」時代に高校ゴルフ部の合宿でよく回った。当時はバッグを担いでプレー。46歳になったいま、「THE CLUB golf village」として生まれ変わったコースのように、どんどんレベルアップするツアーで難しさを感じている。

46歳が地元・群馬の応援に燃える(撮影/大澤進二)

20―21年シーズンには14年キープした賞金シードから陥落し、22、23年は出場資格を得るためQTに挑戦。昨年からは下部ABEMAツアーとかけもちでプレーしている。「5年前とは、カットラインも2~3ストローク違うと思う。いままでは調子が悪くても、なんとか粘って予選通過はできた。いまではもっと粘らないと」と年々馬力が必要になっていく。

「おそろしい世の中になったな…」と心が折れそうな時もあるが、そんなことも言っていられない。あすは草津カントリークラブの研修生時代にお世話になった師匠、菅原理夫プロも応援に来る。「みんなが来てくれるので、3倍増しくらいのやりがいがある」と粘って粘って、ベテランの意地で戦い抜く。(群馬県安中市/谷口愛純)

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