「人類の経験を破壊。シリコンバレーより」イギリスの著名俳優がiPad ProのCMを痛烈批判

新型「iPad Pro 」のPR動画が世界的な波紋を呼んでいます。

この動画は、アメリカのApple社が5月7日、YouTubeなどに投稿した「Crush! 」というタイトルの約1分の短編です。
巨大なプレス機が物品を破壊して圧縮する様子を撮影したものでした。破壊されるのは人形、彫像、絵の具などの画材。それにスピーカー、レコードプレーヤー、ギターといった音楽機材。そして書籍などです。人形から目が飛び出るショッキングなシーンも……。
圧縮された後に、新型iPad Proが残されるという内容になっています。
Apple社のティム・クックCEOもX(旧Twitter)で、この動画を紹介しつつ「私たちが作った中でもっとも薄い製品」と胸を張りました。

クリエイター達が日常的に使っている道具を破壊した上で、iPad Proなら全ての機能を備えている……という意味合いが読み取れるこの動画に対して、日本語圏からは「不快に感じる」「悪趣味で最低」と批判の声が相次ぎました。
欧米圏でも著名人も含めてクリエイターらから批判する声が出ています。

2024年に撮影されたヒュー・グラントさん(Photo by Joe Maher/BAFTA / Getty Images for BAFTA)

『ブリジット・ジョーンズ』の出演俳優も。欧米各国でも批判の声

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 』シリーズへの出演で知られるイギリスのベテラン俳優・ヒュー・グラントさんもその一人。
ティム・クックCEOの投稿を引用しつつ、「人類の経験を破壊。シリコンバレーより」と皮肉たっぷりのコメントをX(旧Twitter)に投稿しました。

同じくイギリスのゲーム雑誌で副編集長 を務めるクリス・シリングさんも痛烈な批判を投稿しました。
「販売中の製品のプロモーションで、これほど完全な嫌悪感がすぐに沸いてくるものを最後に見たのはいつだったか思い出せない。悲惨なほどひどい。まさにディストピアだ。なんてこった」

Apple社のお膝元であるアメリカでも批判の声が出ています。俳優・脚本家・プロデューサーであるルーク・バーネット さんは以下のような皮肉をXに投稿しています。
「この iPadのCMを奇妙に感じた人は、お気に入りの物が並べて撮影した最初のシーンを見るべき」

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