“青いライオン”に込めた亡き母への思い 自閉症のアーティスト石村嘉成さんの「生きものバンザイ!」12日まで【岡山】

天満屋岡山店で開催中の石村嘉成展。会期は残すところ、週末の日曜(5月12日)までとなりました。今回はあらためて、石村さんの創作活動の原点である母親の有希子さんにスポットを当てます。

(石村嘉成さん)
「『青いライオン』。英語で言うと『ブルーライオン』。なんで青く見えているのか。瀬戸内海の青い海を表現して描いていたからです。やさしい目をしている理由は穏やかな波」

作品「ブルーライオン」には母・有希子さんとの約束が込められていました。

(石村嘉成さん)
「私は『お母さんライオンみたいに優しくて強い人になるよ』と約束します」

嘉成さんが11歳のとき、40歳の若さで亡くなった母親の有希子さん。自閉症の診断を受けた嘉成さんに、夢中になれるものをと何度も足を運んだのが動物園でした。

(父・石村和徳さん)
「あれだけしたお母さんはなかなかいないとは私は思いますけど。かなり自分に厳しくなかったらできない」

~有希子さん撮影の教室~
(足音を鳴らして歩いて来る嘉成さんを小声で注意する有希子さん)
「うるさい。足がうるさいよ」

小学校は、毎日有希子さんが付き添うことを条件に地元の学区の普通学級に編入してもらいました。嘉成さんの問題行動は担任の先生の指導や、クラスメイトとの集団生活の中で改善されていきました。

(有希子さんが担任教師に宛てた手紙)
「障害児を持ったことで予想外の人生になりましたが、こうやって支えてくださる人たちにお会いでき、感謝しながら過ごす日々の思い出は私の一生涯の宝です。嘉成が大人になったとき『先生、あの時はありがとうございました』とお礼を言いに行ける日を夢見ています」

今、嘉成さんは有希子さんと見た思い出の動物たちを題材に、多くの人たちに感動を与え、お世話になった人たちにも恩返しをしています。

(石村嘉成さん)
「お客さんに喜んでもらって、いつか天国のお母さんに喜んで欲しいなと思います」

岡山市北区の天満屋岡山店で開かれている「石村嘉成展 生きものバンザイ!」の最終日、(5月)12日の日曜日には、石村さんが感謝の気持ちを伝えるファイナルセレモニーも予定されています。

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