山本太郎氏 〝マイク切り〟問題で伊藤環境相を追及「予定通り、切った職員はいい仕事をした」

れいわ新選組の山本太郎代表

れいわ新選組の山本太郎代表は9日に開かれた参院環境委員会で、伊藤信太郎環境相に対し、同省職員が水俣病被害者団体との懇談会で起きた〝マイク切り〟問題を追及した。

この日の同委員会は資源循環の促進のための再資源化事業などの高度化に関する法律案を議題に行われた。

しかし山本氏は冒頭質疑で「(同省職員が)マイクを切った件、私はこれがあってよかったなと思うんです」と述べてこう指摘した。

「公害や原爆などにも共通するんですけど、政府がいつも狙うのは時間切れなんですね。政府が被害者に行うのは高齢当事者の死に待ちです。これは政府の失策や無策によって生まれた被害者を切り捨てられるお作法として続けられてきた。だから当事者が裁判を起こさなければならないような状態になる。『懇談』と言っても、話を聞く気など毛頭ない」とした。

続けて「発言時間3分では、軽いあいさつ程度が精いっぱい、そんな懇談などやっているふり、ただのガス抜き、セレモニーにすぎない。今回の問題が表ざたになったことで人々の記憶から薄れている問題に『まだ、終わっていない。国の逃げ切りを許さない』と問題提起することになった。マイクのスイッチを予定通り切った職員は、いい仕事をしたと私は思っています」と述べた。

山本氏は伊藤氏が同団体被害者たちと再懇談を進めていることに「(同被害者たちの)発言時間は1人につき1回最低でも30分が必要なんですよね。3分は無理です。それぐらいの気概がおありか」と質問した。

三原じゅん子委員長から答弁を促された伊藤氏は「気概は持っております」とした。

さらに山本氏が「いま大臣という立場いるあいだに、大臣としての力を使って全員の救済を目指すお気持ちはあるんですよね」と念を押すと、伊藤氏は「目指す気持ちはございます」とキッパリと答えた。

同委員会終了後、山本氏は伊藤氏の答弁について「いつも返事はいいんですよ。でも今回は彼にとって一番まずいなと思う。今回のことを帳消しにするには足しげく(被害者宅に)通いながら、大臣の地位にいるあいだにこれを解決するテーマを持って、やってほしいんですよ。なかなか難しいところはあると思うけど、それぐらいやれと、何のために政治家になったのかと。『伊藤大臣と言えば、水俣病問題を解決した…』ということが勝ち取れる場面にいるんだぞと、逆に言えば…」と語った。

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