「小鳥とお話しして過ごす」川勝知事が退任 県民に感謝伝え笑顔で歌声披露 リニアは“岐路に立った”=静岡県

4期15年にわたり静岡県のトップを務めた川勝平太知事が5月9日退任しました。最後の会見では、リニアの工事で南アルプスの自然に「黄色信号」がつくと話し「岐路に立った」と強調しました。

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<川勝平太知事>
「県民の皆さまに対して深甚よりありがたく厚く御礼申し上げるものであります」

9日の退任会見の冒頭、感謝を口にした川勝知事。自らの不適切な発言を受け、4月10日辞表を提出し、9日が知事としての最後の日でした。

長年、対峙してきたリニア問題についてはー。

<川勝平太知事>
「トンネル工事によって南アルプスの自然環境はマイナスの悪影響を受ける。言い換えると工事によって南アルプスの自然環境には黄色信号がつくという認識を私は持った」

また、環境保全に関する国のモニタリング会議が始まり、現状についてはこう表現しました。

<川勝平太知事>
「強引に進むのか、あるいは留まるのか、まさに岐路に立った。それをどうするのかについてはモニタリング会議の見識次第」

一方、今後についてはー。

<川勝平太知事>
「仙人になること。10日の日が明けると常時、自由人になるわけです」

政治の世界には関わらないと話し、これからの生活を小林一茶にまつわる曲の替え歌で表現しました。

<川勝平太知事>
♪「平太のおじさん、平太のおじさん、あなたの住まいはどこですか?信州信濃の山奥小鳥とお話しして過ごす―これが私のイメージしている仙人の姿です」

笑顔で歌声を披露した会見のあと、知事と最後に面談したのは長年、副知事を務めたこの人でした。

<静岡市 難波喬司市長>
「思い出話をさせていただきました。感謝して、お疲れ様でしたというのが全てですね」
Q知事からは何か?
<静岡市 難波喬司市長>
「しっかり頑張ってくださいと」

<川勝平太知事>
「あなた方だけではなくて職員6000人全ての方々、すでにやめられている方々、県民の皆様方に感謝の気持ちを伝えたい」

退任式でも職員と県民にあらためて感謝を伝えました。

午後5時、川勝知事は職員たちの拍手のなか花束を受け取り、晴れやかな表情で県庁を後にしました。

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