【ミャンマー】4月輸出は農産品がけん引、紛争避け海路で[経済]

ミャンマー商業省によると、同国の4月1~26日の輸出額は農産品の伸びがけん引して前年同期比でプラスとなった。各国との国境地帯では紛争が激化し、陸路を通じた隣国との輸出入が打撃を受け、輸送路は海路にシフト。最大都市ヤンゴンの港からコメや豆類、トウモロコシなどを出荷する動きが出ている。

商業省の公式統計によると、約1カ月間の業種別の輸出額は農産品が64.3%増の3億5,000万米ドル(約545億円)だった。衣料品やパイプラインを通じた天然ガスが含まれる工業製品は1.0%増の4億5,700万米ドルと横ばいだったが、最大を維持した。輸出総額は19.2%増の8億8,800万米ドルで、国境経由が減少した一方で海上経由が3割超伸びた。

国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーは9日付の記事で、商業省とミャンマー商工会議所連合会(UMFCCI)が連携し、ヤンゴンの港湾から農産品などの出荷を増やす調整を行っていると伝えた。タイ各紙は、同国北西部ターク県メソトに隣接するミャンマー東部カイン(カレン)州ミャワディで戦闘が激化したことで、飼料用トウモロコシなどのミャンマーからの輸入ルートが海路にシフトしていると伝えている。

1~26日の輸入総額は20.5%減の8億7,000万米ドルで、財別に見ると軒並み減少。「CMP(裁断・縫製・梱包=こんぽう)原材料」は微減で、「資本財」「中間財」「消費財」はそれぞれ前年同期から2割以上落ち込んだ。

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