【フィリピン】ドル建て国債で20億ドル調達、財務省[経済]

フィリピン財務省は8日、総額20億米ドル(約3,100億円)の米ドル建てグローバル債を起債した。海外債券市場からの資金調達は2024年に入って初めて。世界の債券市場が改善したことを踏まえた。発行は14日に完了する。

10年物と25年物の2種類について募集した。25年物については、フィリピンの持続可能な社会と地球を実現するための金融(サステナブルファイナンス)に関する枠組みに基づき発行する。

表面利率は10年物が米国債プラス0.8%、25年物は5.60%(米国債プラス0.998%)。10年物で22年以降の最低、25年物で過去2番目の低水準に抑えられた。

レクト財務相は「海外投資家からの旺盛な需要は、フィリピン経済の強さとマルコス政権の健全な経済・財政政策に対する信頼を反映している」と説明した。

世界の金融市場では、4月の米雇用統計の結果が市場予測を下回ったことで利下げ期待感が高まった。フィリピン政府は市場心理が改善したと判断した。

格付け各社による評価はムーディーズが「Baa2」、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が「BBB+」、フィッチが「BBB」となる見込み。

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