【競馬】J.モレイラ騎手の「プラス条件・マイナス条件」 「京都芝2000m以上」は単勝回収率200%超え

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マスクトディーヴァが名手を背に初のGⅠ獲りに挑む!

2024年5月12日、東京競馬場でGⅠヴィクトリアマイルが開催される。ソングラインやソダシ、グランアレグリア、アーモンドアイなど、数々の名牝が制してきた春の女王決定戦。今年のメンバーを見ると、昨年に悲願のGⅠ初制覇を果たし、海外GⅠでは2連続馬券圏内と充実一途のナミュール、前走で阪神牝馬Sを制しマイル戦線に殴り込みをかけてきた芝1800mのレコードホルダー・マスクトディーヴァが二強を形成している。

今回、マスクトディーヴァに騎乗予定なのがJ.モレイラ騎手。今年の4月に来日して以降、すでに重賞4勝とまさに絶好調。桜花賞ではステレンボッシュで2番人気1着、皐月賞ではコスモキュランダで7番人気2着とクラシック第一冠ではともに連対を果たしており、大舞台でも信頼できる騎手だ。今回はそんな「モレイラ騎手のプラス条件、マイナス条件」をテーマにデータ検証を行う。(参照するデータは2014年6月8日~2024年5月5日)。

京都芝×2000m以上で単勝回収率200%オーバー!

<J.モレイラ騎手の「プラス条件」>
手塚貴久厩舎【10-2-3-4】勝率52.6%/連対率63.2%/複勝率78.9%/単回収率236%
京都芝×2000m以上【9-3-2-3】勝率52.9%/連対率70.6%/複勝率82.4%/単回収率214%
札幌×ダート【31-11-10-26】勝率39.7%/連対率53.8%/複勝率66.7%/単回収率139%
ダート×7・8枠【29-14-11-17】勝率40.8%/連対率60.6%/複勝率76.1%/単回収率121%

この章ではモレイラ騎手のプラス条件について検討する。

まずは厩舎との相性について。最多の38勝を挙げている堀宣行厩舎では【38-17-12-48】で勝率33.0%、単勝回収率106%とプラス域。もう少し深掘りすると、新馬戦では【7-3-2-2】で複勝率は驚異の85.7%、勝負度の高さがうかがえる。また、手塚貴久厩舎とのコンビも優秀で、【10-2-3-4】で勝率52.6%、単勝回収率236%と妙味たっぷりだ。どのコースでも好走率が非常に高いが、東京コースでは【3-1-3-1】で単勝回収率が81%とやや妙味が薄くなる点には注意したい。

芝コースでは、札幌、中山、中京、京都の4場で単勝回収率100%オーバーを記録。特に中山コースを得意としており、【15-4-2-6】で勝率55.6%、単勝回収率は145%だ。中山では距離が長くなればなるほど信頼度が高く、1800m、2200m、2500mでは連対率100%。見かけたら黙って買いである。京都芝も2000m以上での信頼度が抜群であり、【9-3-2-3】で勝率52.9%、単勝回収率214%と絶好調。阪神競馬場の代替開催で騎乗数が増える今年は狙い目だ。

一方、ダート戦で単勝回収率100%超えなのは、札幌コースのみ。前走4着以下の馬でも【13-1-2-12】で勝率46.4%と巻き返すことが多く、単勝回収率もプラス域だ。前走馬券に絡んだ馬だと妙味が薄くなってしまうので、こちらを積極的に狙っていきたい。

また、ダートでは外枠が狙い目。7、8枠では【29-14-11-17】で勝率40.8%、単勝回収率121%。1〜6枠の【36-24-15-73】勝率24.3%、単勝回収率69%と比べて抜群に良い。前走10着以下の馬でも7、8枠なら【1-1-1-1】で複勝率75.0%、複勝回収率175%とプラス域。まさにモレイラマジックだ。該当馬を見つけたら黙って買いで問題ない。

複勝率は高くとも、妙味の面ではマイナスの条件あり

<J.モレイラ騎手の「マイナス条件」>
東京芝2000m【5-3-1-12】勝率23.8%/連対率38.1%/複勝率42.9%/単回収率54%
阪神芝【4-6-0-14】勝率16.7%/連対率41.7%/複勝率41.7%/単回収率50%
ダート×札幌以外【34-27-16-64】勝率24.1%/連対率43.3%/複勝率54.6%/単回収率57%
ダート×1〜3枠【12-9-8-28】勝率21.1%/連対率36.8%/複勝率50.9%/単回収率53%

次にモレイラ騎手の「マイナス条件」についても確認する。

まずは芝コースについて。東京競馬場だとモレイラ騎手の単勝回収率は89%と、他の競馬場に比べてやや低い。コース別では2000mが【5-3-1-12】で単勝回収率54%、2400mが【3-1-3-3】で同69%と妙味がない。ちなみに、ヴィクトリアマイルの舞台である1600mでは【9-10-3-9】で複勝率71.0%と信頼度は高く、複勝回収率92%と妙味もまずまず。ただ、2000m、2400mにしても複勝率自体は高いので紐からは外せない。また、阪神芝は【4-6-0-14】で単勝回収率50%、複勝回収率57%と妙味が薄い。

次にダートコースについて。全体成績では芝が単勝回収率102%なのに対してダートは同86%。芝に比べて期待値は低い。特に札幌コース以外は【34-27-16-64】で単勝回収率57%、複勝回収率79%となっていることは覚えておきたい。また内枠も割引が必要。全競馬場での1~3枠は【12-9-8-28】で単勝回収率53%、複勝回収率75%。やや手を出しづらい数字だ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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