「幼稚園~高校3年」&大学「国公立・私立文系・私立理系」の学費
子どもの教育費は、進学先によって大きく異なります。
幼稚園から大学までの学費はいくらかかるのでしょうか。
この記事では公立と私立、進学パターン別の教育費の目安を解説します。
また、教育費準備のポイントとして、児童手当の活用方法も紹介します。計画的に教育費を準備し、子どもの将来に備えましょう。
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幼稚園から高校3年までの15年間の教育費はいくら?
最初に幼稚園(3歳)から高校卒業までの15年間の教育費の平均額を、公立と私立で見てみましょう。
公立・私立別の各学校の教育費は?
子どもの教育費は進学先が公立か私立かでどのくらい違い、それぞれいくらかかるでしょうか。
以下は文部科学省のデータからの、それぞれの進学先の1年あたりの学費の合計です。学費は学校教育費、給食費、学校外活動費で構成されています。
- 幼稚園(3年):公立 47万2746円・私立 92万4636円
- 小学校(6年):公立 211万2022円・私立 999万9660円
- 中学校(3年):公立 161万6317円・私立 430万3805円
- 高等学校(3年):公立 154万3116円・私立 315万6401円
上記のとおり、進学先が公立か私立かでかかる費用に大きな差があるとわかります。特に小学校では、私立の学費は公立の5倍近くかかります。ただし、私立小学校の在学者数は、全体の1.1%と少数です。
進学パターン別の教育費の合計は?
上記の結果から、公立か私立かの進学パターン別の15年間の学費合計金額は以下のとおりです。
【幼稚園→小学校→中学校→高等学校】:教育費の合計
- 公立→公立→公立→公立:574万4201円
- 私立→公立→公立→公立:619万6091円
- 公立→公立→公立→私立:735万7486円
- 私立→公立→公立→私立:780万9376円
- 私立→公立→私立→私立:1049万6864円
- 私立→私立→私立→私立:1838万4502円
幼稚園から高校まですべて私立だった場合の学費は、すべて公立だった場合の約3倍となります。大学の学費を準備しながら毎月の家計から学費を支払うのは、難しい場合もありそうです。
保育料は学費ではありませんが、0歳から3歳まで保育園に預ける場合、子ども1人あたりの保育料の保護者の自己負担は平均で月額3万円程度です。保育料は自治体ごとに異なり、世帯の所得によって決まります。
次章では、大学の進学先別の学費データを確認していきます。国公立と私立文系・私立理系で学費はどれくらい異なるのか見ていきましょう。
国公立大学と私立大学の学費は?
次に国公立と私立文系、私立理系といった進学先別の大学の学費のデータを紹介します。
国立大学
国立大学の学費は、省令によって授業料の標準額が決められています。国立大学の入学金と授業料の標準額は以下のとおりです。
- 入学金:28万2000円
- 授業料:53万5800円
これらの学費の4年分を合計すると、242万5200円となります。
公立大学
公立大学の学費は大学ごとに決められていますが、授業料はほとんどの大学で国立大学の標準額が採用されています。
入学金は多くの大学で、大学所在地の出身者は優遇されています。公立大学の入学金と授業料の平均額は以下のとおりです。
- 入学金(地域内):22万5674円
- 入学金(地域外):38万8206円
- 授業料:53万6191円
私立大学
私立大学の学費は入学金、授業料以外に施設設備費を毎年納付しなければなりません。以下は文系、理系ごとの学費の平均額です。
文系学部
- 入学金:22万3867円
- 授業料:82万7135円
- 施設設備費:14万3838円
理系学部
- 入学金:23万4756円
- 授業料:116万2738円
- 施設設備費:13万2956円
医歯系学部
- 入学金:107万7425円
- 授業料:286万3713円
- 施設設備費:88万566円
その他学部
- 入学金:25万1164円
- 授業料:97万7635円
- 施設設備費:23万1743円
全体平均
- 入学金:24万806円
- 授業料:95万9205円
- 施設設備費:16万5271円
全体平均からの4年制大学の4年間の学費合計は473万8710円と、国立大学の約2倍です。
大学の学費準備に児童手当を活用
児童手当は大学の学費準備のために積み立てましょう。児童手当は中学校卒業までの子どもを養育している保護者に支給されるお金です。支給額は以下のとおりです。
- 0歳〜3歳未満:一律1万5000円
- 3歳〜小学校修了前:1万円(第1子・2子)、1万5000円(第3子以降)
- 中学生:一律1万円
たとえば、0歳から15歳までの15年間、児童手当を全額貯蓄に回した場合、利息を除いても約200万円が貯まる計算です。
支給された児童手当を生活費などに使ってしまわずに積み立てると、必要な学費の一部を準備できます。
現在の児童手当には保護者の所得制限がありますが、2024年10月からは所得制限撤廃の他、以下のような改正が予定されています。
- 支給を高校生まで拡充
- 第3子以降は月額3万円
この改正により、より多くの学費を児童手当で準備できるようになるでしょう。
子どもが生まれたらすぐに教育費準備を始めましょう
教育費は幼稚園から大学までトータルで、数百万円から1000万円以上かかります。特に私立に進学する場合、学費負担が大きくなるため、早めの準備が重要です。
教育資金の準備には、児童手当を有効活用しましょう。支給された児童手当を教育資金の積み立てに回すと、必要な資金準備の一部に充てられます。現在、所得制限で受給できない世帯も、所得制限の撤廃される2024年10月以降は児童手当を積み立てるとよいでしょう。
参考資料
- 文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
- 京都大学「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
- 文部科学省「2023年度学生納付金調査結果」
- 文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の概要」
- こども家庭庁「児童手当制度のご案内」