「小鳥とお話しして過ごす」替え歌披露の川勝知事、退任後は「仙人になる」 告示された知事選に「候補者はリニアに明確な見解を」【川勝知事・最後の会見(下)】

静岡県の川勝平太知事は2024年5月9日、退任会見を行いました。
今後の人生プランについて質問されると「仙人になる」として、政治活動には関わらないと明言。これからの生活のイメージを小林一茶にまつわる曲の替え歌で表現しました。

<川勝平太知事>
「『♪平太のおじさん、平太のおじさん、あなたの住まいはどこですか』『♪はいはい、私の住まいはの信州信濃の山奥の浅間山の森の中。小鳥とお話しして過ごす』これが私のイメージしている仙人の姿です」

座右の銘に掲げる「常在道場」の通り、いつまでも学ぶ姿勢を失わないとして山の中で本を読みなおしたいと話しました。
また、最後の会見と同じ日に告示された静岡県知事選に過去最多の6人が出馬したことについて「非常に多くの方が立候補されたことを大変喜んでいる」と語りました。

<川勝平太知事>
「できれば50%を超える投票率になればいいというふうに願っております。ある意味で投票しか一般庶民は政治的意思を表明する機会がないとすら言えます。最も重要な意思表明の機会であるので、いない場合でもいないと自分の意思を書けばいい。すごく大事だと思います」

自身が「一つの区切り」としたリニア問題については「候補者はそれぞれ明確な見解を出して、ごまかさないことが大事」と述べ、有権者にはよく話を聞いてほしいと要望しました。

最後の会見は45分ほどで終了。冒頭10分ほどは用意した紙を読み上げましたが、その後の質疑応答では歌声も披露され、直近では見る機会のなかった笑顔を振りまき、”川勝節”で締めくくった印象です。
その発信力ゆえに県だけでなく全国に波紋を広げた川勝県政。その功罪が今後どう影響するか、新しいリーダーには難しいかじ取りが求められます。

川勝知事は4月1日の県庁の新入職員への訓示で職業差別とも受け取れる発言をして批判が集まり、翌日に辞職を明言。5月9日いっぱいで退任となり、同日は次の知事を決める選挙の告示日とも重なりました。

【会見での関連発言全文】
<記者>
「白紙とされていた今後について、何かやりたいことやプランがありましたら教えてください」

<川勝平太知事>
「仙人になることですね。今日9日おそらく11時59分59秒まではですね、まだ公人なのではないでしょうか。ですから、常時公人であります。しかし、10日の日が明けますと常時自由人になるわけですね、自由はしかし規律を抱き合わせてないとですね、いわば自由放漫な形になります。ですから、常在道場は変わらないと。1に修業、2に修業、3に修業ということで、山の中でですね、そういう生活に入ろうと思っております」

<記者>
「選挙に出たり誰かの応援をするなど、政治活動をすることはあるのかを教えてください」

<川勝平太知事>
「ありません。仙人になるわけですね。
『♪平太のおじさん、平太のおじさん、あなたの住まいはどこですか』『♪はいはい、私の住まいはの信州信濃の山奥の浅間山の森の中。小鳥とお話しして過ごす』
小学校1年生の時に学芸会でですね、一茶の役を命ぜられまして、だから小林一茶。『一茶のおじさん、一茶のおじさん、あなたの生まれはどこじゃいな』というのがですね、原曲です。
どこで生活するか、「人間到る処青山有り」という言葉がありますけれども、どこで死ぬかわからんですよね。ですからたまたま私は膨大な書がありまして、それを収める場所がですね、マンションに入らないわけですね。ですから、山小屋の中にあるので、そこです。万巻の書と向き合いながら、ほとんどもう読んでいるわけですけども、もう一度見直すと言いますか、まとめ返すというような、意思はございます」

<記者>
「静岡県で仙人になる可能性もあれば、それ以外でなることもあるということですか」

<川勝平太知事>
「もうちょっと言いますとですね、標高1000メートルのところに住むんですよ。浅間山の持つ標高1000メートルで1000メートル林道で走ってるわけです。その傍らに住むことになる。だから1000メートルのところに住む人間、『千人』と。失礼しました。文字通りそうなんですよ。1000メートル林道というその林道の傍らに山小屋がありまして、そこで森の中で住んでいくということになります」

<記者>
「告示された知事選は史上最多の6人が立候補を届け出ているが、気になる候補がいればお話を聞きたい」

<川勝平太知事>
「みんな有権者、同時にまた被選挙権を持ってる方がですね、自由に立候補できるというのは、日本ならではの民主主義の国柄でありますので、そのことを非常に多くの方が立候補されたというのを大変喜んでおります。あとは、できれば50%を超える投票率になればいいというふうに願っております。やはりどんな会議でもやはり2分の1以上出席していないと会議成り立たないじゃないですかね。そういう原点に戻って、やっぱり5割以上の方たちが関心を持って投票されると。仮にいない場合には、適当な人がいなければいないと書けばいいわけですね。これは無効票になるじゃないですか。投票率の中にはそれは入りますので、自分の意思を、意思を表示するというきっかけであると。大事な大事なきっかけで、ある意味でそれしかですね、一般庶民は政治的意思を表明する機会がないとすら言えます。最も重要な意思表明の機会であるということなので、いない場合でもいないと自分の意思を書けばいい。すごく大事だと思います。

<記者>
「次の知事にリニア問題でどういった対応をすることを望まれますでしょうか」

<川勝平太知事>
「それぞれの知事(候補)さんの見識、これは選挙中にご披露されると思いますが、それをお聞きになる、また選ぶのは有権者ですから、選ばれた方はですね、言ったとおりのことを実行するというのがお仕事になるだろうと思います。ですから、有権者の方々はよく意見を聞いて、この件、重要な問題だというふうに世間でも取り上げておりますので、候補者の方はそれぞれ明確な見解を出して、ごまかさないことが大事ですね」

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